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<インターネット・コンテンツ産業など>
90年代とは状況がまったく異なる現在のインターネット・ブーム
532-231684 *Fin.Times 2006-1-25 p.S6
 現在のインターネット・ブームは,バブル的要素を多分に含んでおり,やがては崩壊するとの懸念もある。だが90年代の再現にはならないと考えられる。ドットコム・ブームは粗い期待に支えられたバブルであったが,現在はネットが日常生活に定着しており,利用者も10億人を突破したと推定される。オンライン活動の活発化によって,より強固なビジネス基盤が構築されている。例えば検索エンジン広告は2005年に100億ドル規模に成長し,2009年には250億ドルに達すると予測される。こうしたインターネットの拡張は,メディア,広告,ソフト,通信などの業界にほぼ限られている。
コードレス電話からのインターネット電話が可能に(米)
532-231685 *Wall Str.J. 2006-1-12 p.B1,B5写
 パナソニック,モトローラ,ユニデンなどが,VonageやSkypeなど,人気のインターネット電話サービスに接続可能な内蔵アダプタ付きのコードレス電話を売り出している。コンピュータやモデムに接続されたベース・ステーションと通信するタイプや,携帯電話,コードレス電話,ワイヤレス・インターネット接続可能電話として自動的に切替わるタイプなどがある。こうした新しい電話機は,インターネット電話サービスの魅力を一般家庭にまで引き寄せるのに役立つだろう。また既存のインターネット電話利用者が,従来型の回線を完全に捨て去ることを動機づける可能性もある。
スポットライトはテレビ・メーカーからコンテンツ・プロバイダーに(米)
532-231686 *Wall Str.J. 2006-1-11 p.B1
 ラスベガスで開かれている消費者用電子展CESの会場をうろつくと,仕事をしているのは,ソニーや三星電子(韓),フィリップス,パナソニックなどの家電メーカーだが,スポットライトを浴びているのはGoogleとYahooの2社であると感じる。両社はテレビ番組配信の発表で見出しを飾っており,しかも最小限のリスクしか負わずに済んでいる。一方従来型の消費者用電子メーカーは,科学者やエンジニアを何人も雇い,SFにしか出てこないような製品を創り出しても,すぐに差別化が出来なくなる。大きな問題があるというわけではないが,どことなく不公平だという感じがする。
次世代オンライン検索の命運を握るタギング(米)
532-231687 Wall Str.J. 2006-1-24 p.D1,D3表
 ぎこちなく非効率な現在の検索作業を進化させるため,検索エンジン各社では人間の脳が情報の探索と保存で使っているのと同じようにタギングを使う方法を本格的に導入しようとしている。これにより個々の検索者にとって関連性の高いサイトが早く探せるとともに,再検索の際でも容易にそのサイトが表示できる。Yahooは12月に,人気のタギング・サイトのDel.icio.usを買収して,同サイトのユーザーが,Yahooのタギング・サイトMy Web 2.0からもDel.icio.usでタグ化したサイトへアクセスできるようにする計画を発表した。
インターネットにより児童ポルノ市場が巨大化
532-231688 *Wall Str.J. 2006-1-17 p.A1,A6図表
 児童ポルノの配信元をたどると,ベラルーシ共和国のRegpay社に行き着く。同社は,クレジットカード決済サービスの提供を米国企業から受けて,世界中の小児性愛者に画像を販売していた。米国政府によるサイト摘発により,これまでに世界中で1400人を超える逮捕者が出ている。同社のYahor Zalatarou氏には,大きな犯罪ネットワークとつながりがあると見て,同国政府は調査を続けている。インターネットによる児童ポルノは年間数十億ドルのビジネスになると試算されている。児童ポルノを含む商業ウェブサイトの数は数千に上るという。
20年間で12万種にまで増殖したコンピュータ・ウイルス
532-231689 *Fin.Times 2006-1-30 p.6写
 初のコンピュータ・ウイルスBrainが発見されてからちょうど20年が経過した。Brain自体は無害なものであったが,その後のウイルス増殖の契機となったことは間違いない。20年前と現在の最大の差異はウイルスの伝搬速度である。フロッピーを通じて感染するBrainはパキスタンから米国へ伝わるまで1年を要したが,2004年に発見されたワームMyDoomは電子メールを通じて1日で25万台のパソコンに広がったと推定される。現在では毎日のようにウイルスが発見されており,12万種以上がネット上に存在すると見られる。2005年には世界で34億ドルが,アンチウイルス・ソフトなどに使われたとされている。
インターネットに代る独自のネットを構築する動きが活発化
532-231690 *Wall Str.J. 2006-1-19 p.A1,A7図
 米国以外のいくつかの国や組織が,インターネットの代替物となるネットワークを構築している。例えば中国では,.comなどに代る漢字三文字のサフィックスを作っている。またアラブ連盟22カ国でも,アラビア語のサフィックスを使用したシステムをスタートさせている。こうした代替物は,インターネットの初期時から存在していたが,さほど関心が集まらなかった。米国政府の影響力が強すぎることに対する懸念や,ブッシュ政権に対する反感も,こうした動きが広がる背景にはある。
Google Mapsが使っているAjax技術の応用ソフトが普及の兆し(米)
532-231691 Wall Str.J. 2006-1-26 p.B4
 リロードせずに地図をスクロールできるGoogle Mapsと同じ技術を利用したソフト・ツールが数多く登場して,先端的応用ソフトの開発が容易になりつつある。この技術はAjax(Asynchronous JavaScript and XML)で,リンクをクリックしたり,サイトにフォームを送信したときに,全く新しいページがサーバからユーザーのパソコンに返されてくるという従来の問題を解決した。部分だけの更新が可能なため,ユーザーは自分のブラウザで画像を処理でき,デスクトップ・プログラムと同様の円滑な動きが可能となる。AjaxはAdobe Systems社が買収したMacromedia社のFlashと競合する。
ウェブ上で作品を流す新しい映画制作者が増えてきている(米)
532-231692 *Bsns.Wk. 2006-1-30 p.90,93〜94表写
 JibJab Media社は以前,CM用アニメーション制作をしていたが,現在はインターネットで流す短いフィルムを制作している。新作をアップしてから2週間で,作品を見るために同社のウェブサイトを直接訪れる人は200万人に達するという。まだ荒削りなものが多いが,フォードやMiller Brewing,AT&Tなどの企業がこうしたオンライン用フィルムに注目していて,自社製品を作品中に出したり,広告を傍らに表示している。さらには若者の観客を目当てにCMを制作する企業もある。ブロードバンド接続の普及も追い風になり,ビジネス化が進んでいるが,これで生計を立てるのは容易ではない。
ビデオiPodユーザー向け広告の試行錯誤に忙しい広告主(米)
532-231693 Wall Str.J. 2006-1-31 p.B1,B2写
 4カ月前にアップル社のビデオiPodが登場し,消費者は有償で広告抜きのテレビ番組をダウンロードできるようになった。巻き返しを図りたい広告主側では,ダウンロードするビデオ・ファイルまたはポッドキャストの開始部にテレビCMを付ける方法,標的視聴者を狙って番組を強調する新たな方法,娯楽と広告の境界をわかりにくくして広告を見せてしまう手法などを考え出している。消費者はビデオiPodや携帯電話で番組の一部やコンテンツが好きなときに見られるようになった一方で,広告主はメッセージをビデオ・コンテンツのオンライン視聴者に伝える方策の開拓に迫られている。
犯罪に利用されるe-goldなどの電子マネー決済システム(米)
532-231694 *Bsns.Wk. 2006-1-9/16 p.64〜70表図写
 犯罪で得た資金の洗浄や,ねずみ講詐欺などの金銭授受に,e-goldなど数社が展開するデジタル通貨によるオンライン決済システムが悪用されている。金資産を信用の根拠としたデジタル通貨をカードなどで購入させ,他の口座に転送するシステムだが,口座開設に当りIDコードなどを求めないため,送金もしくは受取人は匿名性を保て,犯罪者の資金処理の温床となる。デジタル通貨が,米国銀行法や同愛国者法に基づくセルフ・モニタリング規制の適用対象となる金融機関の定義にうまく当てはまらないことが問題で,GoldMoney社は自発的にIDコードを求め,疑惑者リストとの照合を行っている。
デジタル音楽サービスの加入料に関して価格共謀の可能性(米)
532-231695 Wall Str.J. 2006-1-12 p.B2
 ニューヨーク州のEliot Spitzer検事総長は,音楽ダウンロード事業での価格共謀の可能性について調査している。同氏の準備段階の調査では,個々の曲を99セントで販売するアップル社のようなア・ラ・カルト・サービスに音楽を卸売する業者を対象にしており,Universal Music,Warner Music Group,EMI Group,Sony BMGの4社に召喚状を発行した。デジタル音楽会社の役員は,特に一定の料金を支払う加入サービスに関して,著しく非競争的な価格付け慣行があったと考えている。懸念は,レコード会社が「最恵国待遇」から結果的に共謀してしまっている可能性である。
Webからプリントへ,ネット出版社による印刷物出版が相次ぐ(米)
532-231696 Bsns.Wk. 2006-1-9/16 p.35〜36表写
 従来型の雑誌社がネット版発行に向う一方で,インターネット出版社による印刷物出版の動きが相次いでいる。BabyCenter社は,9月からbabycenter.com(育児e-magazineサイト)の印刷版を発行し始めた。印刷物に対する読者の愛着を読み取ったからだ。こうした印刷物化の試みが潮流になるかどうかはまだわからないが,ある調査では68%の人が,オンライン雑誌は読みづらく,購読する気はないとしており,オンラインだけでは多くの読者を逃しているのは確かだ。広告主もオンライン広告よりも印刷物広告の方に効果の確かさを感じている。
ネットを使って自分の宿題を専門家に依頼する学生が出てきている(米)
532-231697 *Wall Str.J. 2006-1-18 p.B1
 コンピュータを使用するプロジェクトのアウトソーシング・サイトにプログラミングの宿題を依頼する学生の書き込みがあった。実際に,書き込みのあったRent A Coderプロジェクトのデータベースで,「宿題」を検索すると1000件がヒットする。この問題の背後には,学期末レポートのアウトソーシングというもっと大きな問題がある。New Jersey Institute of TechnologyのDavid Nassimi教授は,前の学期に剽窃の流行があり,その中にはRent A Coderに突き当たるものもあったことを認めている。学校側も気づいてきており,サイトの監視を行っていると同教授は述べている。
マルチメディア検索エンジン開発計画が欧州で始動
532-231698 *Fin.Times 2006-1-16 p.6写
 仏独両国が共同で始動するQuaeroプロジェクトでは,音声,画像,映像を対象とする真のマルチメディア検索エンジンの開発が目指される。これらの検索での問題点は,カテゴリー分けに必要となる言葉が不適切な検索結果を導く可能性があるという点である。Quaeroでは,言葉を使わずに音声・画像・映像を理解する検索の実現が課題となる。参加企業のひとつであるLTU Technologies社(仏)が米FBIに提供している画像認識プログラムなどが応用されると見られる。
中国でのインターネット事業は企業の自己規制が求められている
532-231699 *Bsns.Wk. 2006-1-23 p.32〜34表写
 中国でインターネット事業を行う西側諸国の企業は,同国政府の検閲を承認せざるを得ない。2005年12月には,マイクロソフト社のMSNが,政府の要求に応じて中国人のブログサイトを閉鎖した。同国では,ウェブサイト,ブログ,チャットルームなど,ネット監視のために3万人を超える人が雇用されている。各企業は,ネット上での使用禁止語数百語のリストを渡されている。この公表されていないリストは,時勢に合わせて常に改訂されている。中国にサーバを立ててサイトを運営する会社は,さらに厳しい規制の対象となっている。しかし技術の発展で,検閲側も苦戦を強いられている。
台北市が市全体をカバーするWi-Fiネットワークを整備へ
532-231700 *Wall Str.J. 2006-1-19 p.A9,A12写
 台北には,市と民間企業の協力で整備されたワイヤレス・ネットワークがある。現在アクセスポイント数は3300を超え,市の半分の地域をカバーしている。このネットワークにより,台北市の260万人はインターネットや電子メールを市のどこからでも利用できる。市によると,整備は今年半ばに完了し,市全体の90%以上をカバーすることになるという。台北市のこの計画は2003年にスタートし,馬英九市長が「サイバーシティ」キャンペーンの中心プロジェクトとして推進した。米国でもここ1年ほど前から大都市でのWi-Fiプランが発表されてきている。
インターネット・ベンチャーへの投資は回復したが内容には変化(米)
532-231701 Wall Str.J. 2006-1-4 p.B5A
 2005年第3四半期のベンチャーキャピタル会社の資金調達額は,前年同期比で16%増えて59億1000万ドルとなり,投資前企業価値の中央値は1億6800万ドルと,過去4年で最高になっている。しかし以前のドットコム・ブームと今回のブームには,アプローチと市況の面で違いがある。2002年に757億ドルだった米国のオンライン小売り販売は,2006年に1720億ドルに達する見込みで,小売り販売全体に占める割合も7.7%まで上る見通しだ(2002年は3.7%)。特に旅行(26%)とコンピュータ機器及びソフト(48%)ではオンライン販売が爆発的に増えている。また立ち上げにかかる資金も低下している。
Webサービスのバンドル化競争:GoogleはGoogle Pack発表(米)
532-231702 Fin.Times 2006-1-10 p.8
 マイクロソフト社が今年投入予定のWindows Vistaは,ソフトの幅が拡大することで,長年の提携先を競合者として追落とす潜在力がある。このため従来ブラウザ内部に隠れていたWebサービスの技術発展を利用者の実感できる形にし,大衆市場を狙うバンドル化競争が俄かに激化している。先週のCES展では,Googleの主導下に多数のソフト会社が参集した無料ソフト・パッケージGoogle Pack(10分以下でダウンロードでき,自動更新機能Google Updater搭載)の他,ネット大手の標準化サービス(パソコンと同期し,TVや携帯電話からもWebサービスが利用できるYahoo Go等)が発表された。
オールドメディアへの広告事業拡大を推進しているGoogle(米)
532-231703 *Wall Str.J. 2006-1-18 p.A1,A6,B3C図
 Googleは,新聞やラジオなどの既存のメディアへの広告事業に目を向けてきている。同社は昨日,ラジオ広告のオンライン・システム運営のdMarc Broadcasting社買収を発表した。さらにTV広告にも進出を検討していると,Eric Schmidt CEOも2005年末に述べている。同社の強みは,すでにオンライン広告で40万社を超える顧客を獲得していることだ。また中国でのインターネット・ユーザーの選好に関する調査によると,同社はローカル・ライバルのBaidu.com(百度)よりも優勢だという。
オールドメディアへの広告事業を拡大してきているGoogle
532-231704 *Bsns.Wk. 2006-1-30 p.80,82表写
 すでに新聞や雑誌の広告スペース売買を行っているGoogleは,ラジオ広告にも参入すると先週発表した。同社の広告収益は,2004年の20億ドルから,2006年には65億ドルに達すると予測されている。オンライン広告の人気が高い主な理由は,低コストで成果報告が可能だからだ。何人のネット・サーファーが,同社の広告AdWordsから企業のウェブサイトにジャンプしてきたか,カウントすることが可能である。またテスト段階にある同社の新サービスClick-to-Callは,インターネット電話サービスに加入していれば,マウスをクリックするだけでコールセンターなどと通話できるという。
中国での検閲規制を受け入れたGoogle(米)が負う大きなリスク
532-231705 *Fin.Times 2006-1-26 p.2写
 Googleは,中国で検索サイトの運営許可を得るために,同国政府が求めた検索規制を受け入れた。これは,程度の差があれ,多国籍メディア企業が行ってきたことでもある。だが同社にとっては特にリスクを伴う戦略である。競合者とは異なり,同社は情報への普遍的アクセスを提供するという高尚な目的を掲げており,社訓にも“悪になるな”とある。多くの利用者は同社が原則を曲げたと感じており,“偽善者になるな”との新社訓を示して皮肉る声も出ている。
自主規制を実施しつつ中国市場に参入するGoogle
532-231706 *Economist 2006-1-28 p.13,55〜56
 Googleは1月25日に,Google.cnをスタートした。同社は中国での存在感を高めるために同国内にサーバを置くという。サービス提供を高速化し,同国市場で優位に立つための戦略である。また同社は,そのサイトが提供を控えるべきコンテンツを含んでいることを,検索結果のリストでユーザーに知らせられるように,中国当局と協議し,承認を得た。コンテンツに制限があるにしても,より多くの情報を提供することを同社は考えている。またプライバシーの保証ができないことを懸念して,同社は中国ではe-mailやブログ,ソーシャル・ネットワーキングなどの提供を行っていない。
人物欄/今でも世界を変えたいと考えているGoogleのLarry Page氏
532-231707 Economist 2006-1-14 p.66写
 Googleの共同創業者Larry Page氏は,世界を変えたいと常に思っている。だが同氏の熱心さを不快に感じ,同社は傲慢だと非難するブログも出てきた。同社は,会社の形式をとった宗教であると,シリコンバレーInstitute for the FutureのPaul Saffo氏は指摘する。同社が宗教ならば,神はアルゴリズムで,Page,Brin両氏とも全知全能のアルゴリズムを信じている。Yahooのビジネスは趣味の延長なのに対し,Googleは知的観念の探求からスタートしているとの指摘もある。是非はともかくとして,同社は新しい形のデウス・エクス・マシナ(機械仕掛けの神)になりたいと考えている。
マイクロソフト社が中国政府によるブログ検閲を擁護
532-231708 Wall Str.J. 2006-1-6 p.A9,A10図
 中国政府がインターネット上の情報統制を試みる中,マイクロソフト社は,中国当局を攻撃する内容を発表している中国語ブログを閉鎖した。同ブログは,MSN Spaces上で,ジャーナリストの趙京氏がMichael Anti(安替)のペンネームで執筆しているもので,閉鎖は2005年12月30日に行われた。同サイトは,12月末に政府が北京の急進的な新聞の編集幹部を解雇したことを批判していた。中国でのブログ人気は拡大しており,BDA China社によれば,中国語のブログは現在300万サイトあり,5カ月ごとに倍増しているという。また3340万アカウントの登録があるとの推計もある。
インテル社がViivマルチメディア計画へのビデオ・コンテンツを確保
532-231709 Wall Str.J. 2006-1-6 p.A14
 Viiv技術の採用をハード機器メーカーとコンテンツ所有者に説得しているインテル社は,この度AOL,NBC,DirecTV,ESPN,MTV Networksなど大手ビデオ・コンテンツ提供業者10社と契約を結んだ。Viivとは,新世代のメディア指向パソコン向けのチップなどを含む技術のことで,インターネットで配信されるコンテンツを大画面テレビで表示しやすくするもの。その一環としてインテル社は,提携業者のインターネット・ビデオがリモコンでうまく機能し,テレビでもきれいに映ることを確証する計画を立てている。Viivは,マイクロソフト社のメディアセンターとかぶるところがある。
News Corp.社のMurdoch会長がMySpaceの計画の詳細を明らかに(米)
532-231710 Wall Str.J. 2006-1-10 p.B2図
 News Corp.社のRupert Murdoch会長は,最近買収したMySpace.comをYahooのようなポータルに変えていく方針を明らかにした。ソーシャル・ネットワーキングのMySpaceは,近いうちにビデオの無料ダウンロードを加え,インスタント・メッセージを改良し,最終的にはインターネット電話を提供する計画。Murdoch会長によれば,目標はMySpaceで利用者が過ごす時間を増やし,広告を販売する機会を広げることにある。Murdoch会長は,インターネット進出に関し,従来型メディアでの広告収入の伸びが鈍化し,高速インターネットが普及したことによるものだと説明した。
検索結果広告収入でGoogleに差をつけられるYahoo
532-231711 Fin.Times 2006-1-19 p.21写
 直近の四半期の収益が目標に達しなかったYahooは,株価を10%下げたが,こうした短期的失望感は些細な問題である。同社の最重要課題は,広がる一方のGoogleとの差をいかに縮めるかにある。検索結果広告を含む検索エンジン収入の伸び率は,前四半期に10%ポイントも低下した。問題点として,検索広告がまだ未成熟である米国外でGoogleが優勢であること,Yahooの検索技術がコンテンツの適合性の面で劣っていることが挙げられる。米国内での13%に対し,Yahooの米国外での検索事業は,たった4%しか成長しなかった。
番組The Runnerのネット上でのヒットを狙うYahoo(米)
532-231712 *Wall Str.J. 2006-1-16 p.B1,B4
 かつてABCが断念したリアリティ番組The Runnerを,Yahooがウェブサイト上で復活させようとしている。情報筋によると,Mark Burnett氏とLive Planet社が半年前から開発を行っているという。社内の公式承認が出れば,The Runnerは今年発表されることになる。逃亡者の追跡に焦点を当てることで,オンライン利用法を再工夫する同社の努力に期待が寄せられている。また利益をあげる上でも,プロダクト・プレイスメントやスポンサーシップなどで広い経験を持つBurnett氏に期待している。
AmazonとToys“R”Us社の提携が法廷闘争に(米)
532-231713 *Wall Str.J. 2006-1-23 p.A1,A12図
 2000年8月にAmazon.comは,向う10年間Toys“R”Us社が玩具及びベビー用品をウェブ上で販売するために,サイトの一部を提供することに合意した。しかし将来性があるとみなされた契約が,辛辣なビジネス論争に変わってしまうことがいかに早いかを示すケーススタディになっており,両社は今や裁判所で対決している。Toys“R”Usは,Amazonのサイトで唯一の玩具やベビー用品販売企業であるという約束をAmazonが破ったと主張している。一方Amazon側は,「独占」の解釈に相違があったとし,Toys“R”Usが玩具の一部で在庫維持ができていなかったと主張している。
理想のビデオ会議システムが見つからないため内製したDreamWorks社(米)
532-231714 Fast Company 2006-1/2 p.90〜91写
 DreamWorks Animation社(DWA)の映画は,別々の都市からでもビデオ会議により編集が行え,プロットを別の国から送ることも可能だ。2005年12月にHewlett-Packard社が,Haloと名付けて55万ドルで売り出すDreamWorks社のビデオ会議システムは,同時多発テロ以降飛行機移動が困難になる中で,既存のビデオ会議システムに満足できなかった同社CEOのJeffrey KatzenbergとCTOのEd Leonardが中心になって創り上げたものだ。まるでその人が同じ部屋にいるように感じる,巨大なVideo Wallが最大の売りものだが,Katzenberg CEOはまだまだ出来には不満なようだ。
プログラマーのオークショーン・サイトRent A Corderが好調(米)
532-231715 Fast Company 2006-1/2 p.36
 フロリダ州でソフト開発会社を営んでいたIan Ippolito氏は,プログラムを発表するたびに修正を求める電子メールが舞い込むことから,2001年に小さな修正を手がける会社を見つけるために,Rent A Corderというオークション式のプロジェクト発注サイトを立ち上げた。同サイトは急成長を果たし,立ち上げから3年で累計4万5000社のプロジェクト発注企業と世界中から12万1000人のコーダーを集めた。同社にはElance.comやScriptLanceなどの競合サイトが存在するが,プログラマーだけでなく,ウェブ・デザイナーや翻訳家,校正係やライターまで発注対象が広がってきている。
オンライン部門での業績が好調なTravelocity(米)
532-231716 Fin.Times 2006-1-3 p.19写
 Travelocityは1月に,アジアのオンライン旅行代理店Zuji社を,完全に管理下に入れる計画を立ている。米国で強いビジネス基盤を持つTravelocityは,2005年5月に英国の旅行ウェブサイトLastminuteを9億9400万ドルで買収したことで,欧州でも安定して成長してきている。2005年全体で,同社の収入成長率は65%を超えると予想されている。同社の強さは,Lastminuteとの統合がスムーズに進んだからだと,Michelle Peluso CEOは述べた。ライバルのCendant社が,旅行サイトeBookersなどを買収しながら,システム統合がうまくいかずに売上げ予測を下方修正したのとは対照的である。
データ改善と政府の後押しで交通情報サイトが勢いを増す(米)
532-231717 Wall Str.J. 2006-1-12 p.D4表写
 オンライン交通情報会社は,消費者への直接提供サービスを大きく改善しており,ドライバーが交通渋滞を避ける手段が増えてきている。政府機関が設置した最新の街路カメラを利用し,通勤経路の情報を与え,排ガス,別ルートを使ったときの料金及び時間の節約度などを計算し,電子メールやテキスト・メッセージでドライバーに知らせてくれるサービスが登場している。IterisやTraffic.comは,オンライン・マップを高度化し,地理的な対象範囲を広げている。交通関連のウェブサイトは何年も前からあったが,可用性が限定されており,対象範囲が狭かったので普及しなかった。
オンライン・チケット転売市場をリードするStubHub社(米)
532-231718 *Wall Str.J. 2006-1-17 p.B1,B2図
 Jeff Fluhr氏が創業したStubHub社は,チケット転売市場をリードしている。同社は2005年に,前年の3倍に当る約2億ドル相当のチケットをオンラインと電話で販売した。また公式のシーズン・チケット所有者の二次流通市場として,プロ及び大学の17スポーツチームとスポンサー契約を結んでいる。さらに独占契約をNHLと結ぶと見られている。多くの人にとって,転売市場がいい席を入手する唯一の方法だ。同氏は,一次,二次チケット市場が融合し,最初から需要に基づいた変動価格でチケットが販売されるようになることを今後の展望として構想している。
VC支援を受けた企業の事例:メール保護ソフトのClearswift社(英)
532-231719 *Fin.Times 2006-1-25 p.11写
 82年にJohn Hortonらによって創設されたNet-tel社は,電子メール・ソフトを開拓して,後にメール・セキュリティ・ソフトの開発に転じた。同社は2001年に,Amadeus Capital社のRichard Antonを通じて初のベンチャーキャピタル支援(650万ポンド)を受け,Clearswift社に改名した。翌年に競合するContent Technologies社を買収し,MINEsweeperブランドを獲得。経営陣の候補者の選定を巡る意見の不一致はあったものの,同社と資金提供者は極めて良好な関係を保っている。
ピクセル広告の元祖ページが完売し,オークションで終了(英)
532-231720 *Wall Str.J. 2006-1-10 p.B8写
 Wall Street Journal紙が11月に紹介したホームページをピクセル単位で広告スペースとして販売する英国人Alex Tew氏は,目標の売上げ100万ドルを達成し,何百,何千という模倣サイトを生み出した。Tew氏は8月26日にホームページを立ち上げ,スクリーンを100ピクセル毎に1万個に区切り,1ピクセル1ドルで,最低100ピクセルから売り出した。間もなくTew氏はインターネット界の有名人となり,世界中から売込みが殺到した。2005年末までに,Tew氏は99万9000ピクセルを販売し,12月30日にはユニーク・ビジター数100万人を達成した。最後の1000ピクセルはeBayで競売にかけられ,明日にも落札者が決定する。
検索エンジンの国内市場でGoogle(米)を圧倒する韓国のNHN
532-231721 Bsns.Wk. 2006-1-30 p.44図写
 検索サイトを運営する韓国のNHNは,2005年の株価上昇率が218%に達し,Googleの103%を上回った。同社は2005年,オンライン広告を約2億8000万ドル販売しているが,これは国内の約40%を占める。これに対してGoogleの同国での広告収入は,市場全体の2%にも満たない。NHNの検索エンジンNaverでは,ユーザーの求めている情報と関連性が高いものを検索結果として表示できる。これは同社がKnowledge-Inと呼ばれるユーザの知識から抽出したデータベースを構築しているからだ。NHNは,オンライン・ゲームを売りにして日本に再進出を図るほか,米中への進出も狙っている。
CJインターネット(韓),ソフトバンク主導のゲーム・ファンドに参加
532-231722 毎日経済新聞 2005-12-20 p.A15
 CJインターネットは,ソフトバンクが主導する130億円規模の世界最大級オンライン・ゲーム・ファンドに共同出資し,韓国のゲームソフト開発の主導権確保を狙う。CJインターネットは同ファンドに毎年15億ウオンを5年間出資し,オンライン・ゲームの開発とパブリッシング投資を展開する。2006年3月には非公開形式のゲーム関係パブリッシング・サービスを日本のオンライン・システムと提携して韓国に導入する。CJインターネット関係者は「大規模なゲーム・ファンドを国際的に支援することで,韓国ゲーム事業のパブリッシング基盤を構築できる見通しが立った」と語った。