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<重電、家電>
急成長する世界の風力発電機市場
532-231643 Handelsblatt 2006-1-18 p.16図写
 世界の風力発電機市場は,2005年には23%成長したが,ドイツでは半分の11%の成長に留まった。しかしドイツ・メーカーの売上高100億ユーロのうち,半分が輸出向けであり,世界市場でのシェアは45%とトップの座を保っている。予測では,2015年までには現在の水準の5倍,出力27万MW以上の風力発電所が設置されるようになると見られ,必要な投資額は2200〜2500億ドルに達しよう。発電コストも化石燃料に比べて相対的に低下し,10年後には安価は発電手段となろう。
太陽光発電の急成長でパネル用の高純度ポリシリコンが不足
532-231644 Bsns.Wk. 2006-2-6 p.78図写
 ドイツを先頭に,各国で相次いだ太陽光発電への補助金導入がソーラーパネル市場を急成長させ,原油高騰などで日本では補助金なしでもコスト競争力が出てきた。このためパネル用のシリコン消費も2年以内に半導体用を上回る勢いで増大,需給逼迫から,パネル用高純度ポリシリコンの価格は2年で2倍に高騰した。98年の需要後退時に新工場の閉鎖に追込まれた経験から増設に慎重だった最大手Hemlock Semiconductor社(米)は,パネル・メーカーからの長期購入保障を得て,2005年末漸く50%の能力増強工事に踏切ったが,1月着工のWecker社(独)工場も含め,供給増に寄与するのは2008年以降となる。
音波により石炭発電プラントのダクトから煤を除去する方法が発見(米)
532-231645 Wall Str.J. 2006-1-12 p.B3,B5
 テキサス大学の科学者は,石炭発電プラントの鉛管に対して「音響エネルギー」を発する装置の初期バージョンを作成した。ジェット機並みの150デシベル以上の音波で,プラントの排気管内の灰粒子を振動させ,ぶつかり合わせることにより大きな粒子にするというもので,従来型の汚染制御装置でも捕捉しやすくなる。この音響研究は,発電会社のTXU新が過去10年間に200万ドルを資金提供している。エネルギー省の推計では,今後25年に2250億ドルの新しい石炭発電プラントが必要で,2030年には米国の発電量の60%に迫ると見られているため,こうした石炭関連新技術の潜在市場は大きい。
ドイツ市場に積極攻勢をかけるGE社
532-231646 Handelsblatt 2006-1-24 p.11図写
 米国の電機メーカーGE社は,2006年にはドイツ市場での売上高を8〜10%増加させると見られる。特に発電機器と医療機器の分野に積極的で,ジーメンス社にも競争を挑んでいる。従来同社はドイツ市場では強力なジーメンス社の前に控えめであったが,最近では売上高でもジーメンス社の160億ユーロに対して70億ユーロ程度まで伸ばしてきた。ドイツ国内従業員数も約1万人に達し,販売,サービスのほか,研究所,風力発電機工場などを持つ。また医療機器分野では企業買収も視野に入れている。
Kohler社(米),発電装置のSDMO社(仏)を獲得
532-231647 Usine Nouv. 2006-1-5 p.30
 発電機で欧州トップのSDMO社が,米国No.1の水回り品メーカーKohlerグループの傘下に入った。SDMO社は,売上げ3億6000万ユーロ,従業員1100人で,Bealas Energie Services社(メンテナンス),Soreel SAS社(供給,注文管理設備)を持つ。Kohler社は2004年売上げ40億ユーロ,発電装置部門は3億6000万ユーロの売上げだったが,SDMO社獲得で発電設備分野で世界3位となった。Kohler社のDick Fotsch社長は,両社が対等な立場であることを強調した。SDMO社はアジア,南米でも強く,両社は相補性がある。SDMO社員が当初心配していた工場閉鎖はなく,操業継続は保障され,移転計画もない。
英国政府によるWestinghouse社(米)の売却が論議の的に
532-231648 Economist 2006-1-28 p.50〜51
 英国政府は抜け目のない投資家として知られているが,BNFL(原子燃料公社)の子会社で原子炉メーカーのWestinghouse社の売却は例外になる模様。BNFLは2005年7月に,Westinghouse社の売却プランを発表していた。1月24日に東芝が入札したことを明らかにしたが,売却額は50億ドルといわれている。この金額はBNFLが買収したときの12億ドルを4倍以上上回る。だが化石燃料の高騰などから,原子力再開発を検討する国がいくつかあり,大きなビジネスチャンスをもたらす可能性があるので,Westinghouse社売却の政府決定に批判が出ている。
Mase Generators社がGenSet社を取得,発電装置で世界のトップテン入り(伊)
532-231649 24 Ore 2005-12-30 p.20
 米国の溶接機械大手Themadyne社は,1997年に買収した北伊パビーアの産業用発電装置メーカーGenSet社(年商3500万ユーロ)を同チェゼーナのMase Generators社に売却した。1974年創業のMase Generators社は,エンジン駆動発電機型アーク溶接機の国内トップ企業であり,GenSet社を取得したことにより,発電装置で世界の10指に入るメーカーとなる。
スタイルよりも洗浄力を売りものにする最新モデル洗濯機(米)
532-231650 Wall Str.J. 2006-1-11 p.D1,D7写
 ここ数年間,新しいスタイルやカラフルな外観を強調して,洗濯機や乾燥機を売り込もうとしていた家電メーカーだが,洗濯のより良い方法を追求するという基本に回帰している。Whirlpool社が発売している洗濯機は,洗濯物の量を内蔵センサが感知して,水量や回転速度,洗浄サイクルなどを決定してくれる。また従来型の攪拌式ではなく,平らな洗濯板が遠心的に洗濯物を押しつけて洗浄する様式を取っている。またSears Holdings社は,モータを2台据え付けた乾燥機で,乾燥時間の短縮を図っている。LG電子(韓)は水と蒸気を組合せて洗浄する洗濯機を発売する。
Bauknecht社(独)が米国向け洗濯機を作り続ける理由
532-231651 Handelsblatt 2006-1-17 p.6写
 ドイツの古い家電メーカーBauknecht社は,米国のWhirlpool社の子会社になって以来4年,米国向けの洗濯機を作り続けてきたが,主に低賃金国へ移行している家電の生産を高賃金国ドイツで生産する理由は,第1に米国人が長く上部から洗濯物を投入する方式を好み,大量の水を消費していたが,水消費の抑制や高騰するエネルギー・コストのため,欧州の前入れ方式の有利な点が評価されたこと,漂白剤の投入だけで洗濯物を白くする技術が米国に欠けていたことなどが重視されるためである。
イタリアの白物家電工業が生産を東欧に移転,旺盛な需要と低コストが魅力
532-231652 *24 Ore 2006-1-16 p.11図
 同国の白物家電工業が工場の東欧移転を加速している。低迷する西欧市場とは対照的に東欧は需要が旺盛であり,人件費をはじめとするコストがケタ違いに安い。国内での生産はいずれ高級品のみになると専門家は見ている。Indesit社は,2008年までにロシアに2工場を開設する計画で,生産に占める東欧の比率が現在の34%から62%に上昇する。Candy社は冷蔵庫の生産をチェコに移転し,さらにロシアの洗濯機工場を取得した。Antonio Merloni社もウクライナに新工場を建設中である。
デロンギ社(伊)が中国のTCL集団と合弁,可搬式エアコンと除湿機を生産
532-231653 24 Ore 2006-1-12 p.29写
 北伊トレビーゾのDe'Longhi社は,中国の大手家電メーカーTCL集団との合弁工場を広東省の中山に設立した。2006年は可搬式エアコンと除湿機を合わせて50万台生産し,2008年までに生産規模を3倍にする計画である。当初はTCLブランドで販売するが,徐々にDe'Longhiブランドの製品も投入する予定。合弁事業の投資額は1250万ユーロ。De'Longhi社はすでに中国に3つの生産拠点をもち,オイルヒータや大型エアコンを生産している。全体の従業員は約4000人。