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2000年以降の米国自動車業界に見られた変化
532-231797 *Auto.News 2006-1-9 p.37表
 米国自動車市場にとって2000年は記録的な年だった。自動車の販売台数は1740万台を超え,SUVの需要がピークを迎えた。一方05年の販売台数は1699万台で,米国市場は今も好調だが,状況は大きく変わった。過去6年で市場で大きく変化した点は,(1)SUV車の売上げ減少,(2)クロスオーバー車の売上げ増加,(3)ハイブリッド車が主流化,(4)小型車の売上げ復活,(5)高級車の売上げ増加,(6)ピックアップ・トラック堅調,(7)韓国メーカーの躍進,(8)Jaguar社(英)の不振である。
2006年の世界の自動車業界を占う
532-231798 Auto.Design & Prod. 2006-1 p.10
 2005年は,部品最大手Delphi社(米)の倒産や,ハリケーン・カトリーナ,ガソリン価格高騰,GM社によるフィアット社への20億ドルの手切れ金など,大変な事件が目白押しだったが,2006年はどうなるだろう。まず予想されるのが,フォード社が問題に直面しなければならなくなることだろう。またGM社も倒産の予想を覆さねばならない。一方クライスラー社の好調は2006年も続くと見られる。トヨタは新製品の相次ぐ発売により,シェアを伸ばすだろう。VW社,三菱自動車は2006年も苦戦の見通しで,メルセデス・ベンツはルーツに戻るだろう。BMWと韓国勢は引続き好調そうだ。
自動車業界首脳はアジア・メーカーがシェアを伸ばし続けると予想
532-231799 Auto.News 2006-1-9 p.26
 KPMG LLP社が1月4日に発表した調査結果によると,今後5年間はアジアの自動車メーカーがグローバル市場でシェアを伸ばすと答えた世界の自動車会社役員は88%に達するという。日本企業の上昇を予想しているのは65%,韓国企業は79%,中国企業は77%だった。一方北米の自動車メーカーがグローバル市場でシェアを落とすと答えたのは58%で,前年の45%を大きく上回った。北米自動車産業は効率や競争力が今後高まると答えた役員は,2年前は50%だったが,今年は32%にまで減少している。
同誌World Congressが自動車業界トップを招いて開催される(特集)
532-231800 Auto.News 2006-1-23 p.1,30〜43写
 Automotive News World Congressに集まった業界トップによれば,2006年は困難な年だった2005年よりも,さらにひどい年になると見られている。GM社とフォード社は生産規模を減らし,影響を受ける部品企業も増加するだろう。マーケティングについては,自動車メーカーは携帯電話などの新しい方法を通して,消費者と繋がろうとしている。煎じ詰めれば,変化するか,不振に陥るか,2つに1つである。この特集では,財務関連パネル:部品業者は自ら問題を解決すべき,インターネット関連パネル:利用法を見出すディーラー,UAW会長Gettlefinger氏やDodge担当者講演等を取り上げている。
特集:デトロイトで開催された北米国際自動車ショー
532-231801 *Auto.News 2006-1-16 p.1,6〜24,28〜40,42〜44表写
 ハイブリッドから水素まで,メーカーは新しい燃料を展示し,Chevrolet CamaroやDodge Challengerなどの高馬力車が注目を引いた。一方トヨタ社はモデルチェンジしたカムリを発表した。この特集では他に,復活する大胆不敵なデザイン,洒落た5つの新ハイテク技術,ダイムラー・クライスラー社のDieter Zetsche氏インタビュー,ショーで見かけた業界有名人,各社が挙って発表するクロスオーバー車,米国でトヨタ車製造を求めるスバル,トラック生産を増やすホンダ,DodgeがCaliberの価格を引下げ,Bill Ford氏はシェアの死守を優先,などを取り上げている。
ガソリン価格高騰の中で動きが取れないデトロイト
532-231802 *Wall Str.J. 2006-1-26 p.B1,B2図写
 展示会での新車宣伝は活発だが,GM,フォード両社のハイブリッド燃料車が市場に出てくるには時間を要する。生産計画を急には変えられないデトロイトは,しばらくの間,消費者が燃費の悪い車に背を向けてしまうリスクを背負ったままである。乱高下する石油市場のリスクも大きい。GM社にとって,今年最も重視されている量産車は大型SUVの新世代であるChevrolet TahoeとCadillac Escaladeである。同社最初の複合燃料車となるSaturn Vue Green Lineは今夏約2万3000ドルで発売されるが,Chevrolet Tahoeの複合燃料車は2007年まで展示会にも登場しない。
米国自動車業界のさまざまな2005年10大ニュース(特集)
532-231803 *Auto.News 2006-1-2 p.1〜22,33表写
 米国自動車業界にとって2005年はあまりよい年ではなかった。10大ニュースのうち6つは,ビッグスリーとそのサプライヤー企業にとってよくない出来事だった。トップは部品のDelphi社の破綻で,赤字脱出に苦戦するGM社のRick Wagoner氏,GM社やフォード社の価格戦略がそれに続いた。他には,最も新聞種になった10人,広告戦略上位10件,今後自動車業界で注目される10人,大失敗10件,トップ・コンセプトカー10モデル,注目されるテクノロジー10などが取り上げられている。
自動車・同部品産業の集積する中西部の窮状に政治家も動く(米)
532-231804 Economist 2006-1-7 p.38〜39図
 昨年10月に破産申請した米国最大の自動車部品メーカーDelphi社は,国内に5万人の従業員を抱えるが,その半分以上がミシガン,オハイオ両州に集中している。これにインディアナを加えた中西部の北部諸州は,自動車産業への依存度が極めて高く,例えばミシガンの自動車労働者は,2001年以来1/4減少したにもかかわらず,未だ州の製造業労働者の35%を占める。こうした窮状に,11月に中間選挙を控える議員達は,民主党,共和党を問わず,連邦政府や州政府への働きかけを強めているが,実効性のある具体的政策が見いだせない。特に年金や待遇の切下げに強力に抵抗している全米自動車労組との結びつきの強い民主党に打撃が大きい。
より幅広で,より長くなった新世代のSUVがお目見え(米)
532-231805 *Wall Str.J. 2006-1-10 p.D1,D6写
 自動車業界は,見かけはSUVのようだが,操作は乗用車に近く,燃費もいいクロスオーバーSUVに大きく賭けている。2006年の北米国際自動車ショーでは,フォード社がEdgeを,GM社がBuick Enclaveを,クライスラーのJeep部門がCompassを発表し,SUVの落ち込みの分,クロスオーバー車で2桁成長を達成したい構え。2006年は初めてクロスオーバー車がSUVの売上げを上回ると見られているが,クロスオーバー車はSUVより利幅が少ない。クロスオーバー車はSUVの横転危険性への懸念が広がる中,売上げを伸ばしており,2000年に300万台近かったSUVの売上げは,2005年に240万台まで減少した。
60年代の高馬力中古車がオークションで人気を集め,価格が高騰(米)
532-231806 Bsns.Wk. 2006-2-6 p.90〜91写
 毎年1月アリゾナ州で開かれるクラシックカー・オークションには世界中からファンが集まるが,最近の人気は比較的新しい60年代の高馬力車だ。収入がピークに達したベビーブーマーにとって,大金をはたいてでも手に入れたいものらしく,同分野でトップのBarret-Jackson Auctionの場合,1月の競売で1084台,1億ドルの取引を成立させた。今年の来場者は22万5000人で,Fox Cableが完全生中継している。価格は高騰し,69年製Chevrolet Camaro SSクーペは48万6000ドル,走行距離が少ないMustang Shelby GT350は43万2000ドルの高値で売れた。自動車メーカーもこの動向に着目している。
高馬力の高級車が流行も高額な保険料がネックに(米)
532-231807 Wall Str.J. 2006-1-12 p.D1,D4写
 大衆車メーカーが燃費に焦点を定め直す中,BMW,Porsche,レクサスなどの高級車ブランドは,500馬力以上のエンジンを搭載したモデルを相次いで発表している。2005年にはクライスラー社が500馬力のDodge Viper SR10クーペを発表し,GM社が505馬力のChevrolet Corvette A06を発売するなど,馬力が増加傾向にあった。モデルが増えたことで,従来は馬力の大きさとあまり関係がなかった高級車でも選択肢が増えてきた。こうした高級車は最高で20万ドル以上の定価が付いているが,売行きは好調で,8万1200ドルが最低価格のBMW M5は2005年に1742台を販売した。ただ高価格だけに保険料も高額になり,販売阻害要因となっている。
会員制で高級車に乗れる「高級車クラブ」が米国でも広まる
532-231808 Economist 2006-1-14 p.65
 会員になって年会費を払えば高級車に乗れるという,luxury-carクラブは,欧州ではすでに確立しているが,これが米国でも普及してきている。最近Phoenix近郊にクラブを開設したRon Van Horssen氏は,エグゼクティブ・ジェットの共有をモデルにしたと述べている。自動車のメンテナンスや検査を心配する必要がなく,コスト節約にもなる。レンタカー会社も早くからこのトレンドに注目していた。Enterprise社では,高級車のレンタルが2005年は約45%増加した。2006年はさらに伸びると見られている。
家庭で充電できる「プラグイン・ハイブリッド車」に脚光
532-231809 *Wall Str.J. 2006-1-25 p.A4図写
 2005年米国ではトヨタのPriusが20万5790台売れたが,通常のハイブリッド車より大きなバッテリーを搭載し,平均通勤距離である60マイルを電気で走れる「プラグイン・ハイブリッド車」が,電力業界主導の連合体,環境保護団体,自治体からも注目され始めた。試作車は,カリフォルニア大学のAndrew Frank教授により開発され,家庭の電源から充電できる電気モータと小さなガソリンエンジンを搭載して走る。ダイムラー・クライスラー社でも欧州でデリバリーバンのSprinterをプラグイン・ハイブリッド車に改造しており,今後2年間米国の企業と官庁で40台がテストされる。
ハイテク・ディーゼルエンジンがハイブリッドに挑戦する(米)
532-231810 *Auto.News 2006-1-16 p.1,59写
 北米国際自動車ショーで,メーカー5社が高燃費のディーゼルエンジン車,トラックを発表する計画を明らかにした。メルセデス・ベンツ社は,今週からディーゼル・モデル5車種を導入することを確約した。他にホンダ,BMW,日産,クライスラーが,今後3〜4年でディーゼル車をラインナップに加えることを確約した。クリーンさの増した燃料と,燃料注入・排気技術の飛躍的な進歩で,ディーゼルエンジンが米国で再び注目を集めている。VW社は,2005年に2万9000台以上のディーゼル車を米国で販売した。2012年には,米国の乗用車の9%がディーゼル車になるとの予測もある。
米国でのディーゼル車の増販を期待する自動車業界
532-231811 *Fin.Times 2006-1-31 p.18写
 米国で販売されている乗用車,SUV,軽トラックのうち,ディーゼルエンジンを使用しているものは1%未満に留まる。だが今回のデトロイト・モーターショーでは,VW,メルセデス・ベンツ,クライスラーの3社がクリーンなディーゼル車を展示して売り込みを図った。理由はもちろんガソリン価格の高騰である。JD Power社の予測では,新車売上げに占めるディーゼル車の割合は2012年までに4.5%に拡大し,ハイブリッド車の4.2%を上回るようになる。米国でのディーゼル車の将来は,米国消費者が受け入れるかどうかにかかっている。
自動車業界の次なる目玉,小型車は本当に売れるのか
532-231812 Auto.News 2006-1-23 p.4,53写
 北米国際自動車ショーでは,フォード,トヨタ,ホンダ,日産の小型車やコンセプト・カーの新車が展示されたが,これはガソリン価格の高騰よりも,製品の増殖という業界の趨勢の見本であるようだ。また他の理由としては,7500万人に及ぶY世代(11〜29歳)がSUVやクロスオーバー車を購入する余裕がない点も挙げられる。しかし馬力と足下の広さに慣れた若者を満足させることができるのかという疑問もある。とは言えデザインとアクセサリーの改良で以前の問題の多くが解決されているため,いわゆるBセグメントの米国での販売台数は,2005年の17万8783台が,2008年には40万台を超えると予想されている。
オプションでパソコンを搭載し始めた自動車(米)
532-231813 *Wall Str.J. 2006-1-26 p.D1,D3写
 特に若い顧客の囲い込み策として,自動車と車の附属品メーカーは,車内でもワープロ,電子メール,ネット・サーフィンを可能にするための工夫を凝らしている。モニタはダッシュボード近くや後部座席などどこにでも設置できるが,多くのモデルではモニタをラジオに替えて装着する。ただしメーカーは,自動車に完全には統合されないタプレット型パソコンを指向している。フォード社では今春,Fシリーズ・トラックにタブレット方パソコンをオプションで搭載できるようにする。附属品メーカーでは,Audiovox社のJensenブランドがIntellicarシリーズのパソコンを今春発売する。
米国環境保護庁が自動車の新しい燃費テストを実施する計画
532-231814 Wall Str.J. 2006-1-11 p.D7
 米国環境保護庁(EPA)は,自動車の燃費報告をより正確にするため,2008年モデルから新しい規則を導入する。従来型の試験は,乗用車の燃費を実際より誇張しており,新しい計画ではより正確な数値が期待されている。例えばトヨタのPriusの場合,1ガロン60マイルという従来の数値が,新テストでは42〜48マイルまで下ると見られている。新テストは,寒冷時のエアコンの使用や車の加速,操作などを考慮に入れるが,それでも街乗りで10〜20%,高速道路で5〜15%の数値悪化が予想されている。特にハイブリッドでは,街乗りで20〜30%,高速で5〜15%の悪化が見積もられている。
イタリアの2005年2輪車市場は前年並みの42万1000台,大型のみ好調
532-231815 24 Ore 2006-1-11 p.19
 2005年の同国2輪車市場は,新車登録台数が前年比0.1%減の42万1000台,そのうちオートバイは650〜750ccクラスや1000cc以上のいくつかのモデルが好調で,1.4%増の14万9500台に達した。他方でスクータは,Piaggio社が郵便局向けにLiberty 125を2万7200台(4080万ユーロ)受注し,12月に第1回引渡し(5500台)が行われたものの,年間では1%近い前年割れとなった。原付自転車は,環境負荷の小さい車種の購入に対する補助金制度(250ユーロ×10万台)もむなしく,3.7%減の12万7500台。
2006年の自動車業界の勢力図を予想する
532-231816 *Auto.Design & Prod. 2006-1 p.20,22
 過去10年間,米国ビッグ3はインセンティブを1台当り1200〜1500ドルから4000〜5000ドルまで引上げてきたが,販売は横這いが微減が続いている。一方日本メーカーもインセンティブを1台当り1000ドルから2000〜2500ドルまで引上げたが,販売は80%以上増加している。日本メーカーは,ビジョンの一貫性,組織内でのエンジニアリング優位,大衆市場価格での製品カスタマイズ,の3点で優位に立っており,市場でSUVやミニバンの人気が下落したことから,さらにシェアを獲得しそうだ。独韓メーカーとクライスラー社の好調は続きそうだが,GM,フォード社は好材料が乏しい。
自動車メーカーが直面する地球規模の難題に言及するカルロス・ゴーン氏
532-231817 Wall Str.J. 2006-1-9 p.B3
 ルノー社と日産自動車のCEOを兼ねるカルロス・ゴーン氏は,米欧日市場が全体として成長しても,自動車メーカーに安らぎが訪れることはないと語った。また来週発表される予定のルノー社のリストラ計画は中途半端なものではないとも語った。ゴーン氏は,GM社とフォード社の抱える問題は,競合他社にとっても問題であり,とりわけ部品メーカーへの悪影響に懸念を表明した。またルノー社の戦略について詳述は避けたが,ルーマニア子会社のDacia社のさらなる利用を示唆し,韓国のルノー三星自動車の重要性を称揚した。
増える世界の自動車メーカーの目的別提携
532-231818 *Usine Nouv. 2006-1-12 p.48〜51図写
 PSAプジョー・シトロエン社は,1966年ライバルルノー社とエンジンの共同生産に始まり,2005年にトヨタとチェコ工場で小型車を共同生産,BMW(独)とエンジン共同生産,2007年,三菱自動車と4輪駆動車の開発・生産を計画している。90年代の合併や買収がしばしば自動車の価値を失わせ,買収と同時に様々な問題も買い取ったメーカーたちは,新しい提携タイプを採用している。また自動車モデルが年々過度に細分化し,採用年数が短縮化するために,収益率が低下していたが,目的別提携で,メーカーはコスト,リスクの分散化や開発費用を分担することができる。ただ企業知識の流出や相似するモデルなどの欠点もある。
栄光の日々を思い起こさせるマッスルカーを発売するビッグスリー米)
532-231819 Wall Str.J. 2006-1-10 p.B1写
 デトロイトの自動車メーカーは,過去の伝説的な車に戻り,未来を照らし出そうとしている。ヒットがどうしても欲しいGM社は,Chevrolet Camaroの再発売を準備している。クライスラー社のDodge Challengerの再生産を計画しており,両社はデトロイト自動車ショーで試作品を展示した。マッスルカーの復活は,ここ数年のレトロスタイル流行の一部であるが,工場を閉鎖し,人員を削減しながら,市場シェアを失い続けている米国の自動車メーカーに取り,レトロ・モデルの成功は重要となっている。しかしヒットしたフォード社のMustangを除けば,成果はまちまちとなっている。
自動車ビッグスリーこれからの方向性はさまざま(米)
532-231820 Wall Str.J. 2006-1-9 p.A5
 事業戦略で何年も横並びを続けてきた米国の自動車ビッグ3だが,別々の方向性を探り始めている。GM社は,短期的に命運回復を大型SUVに賭けているが,フォード社は,大型SUVから日本のメーカーの主力である乗用車やクロスオーバー・ワゴンに軸足を移している。クライスラー社は,トヨタやホンダのトレンドとかち合わない特徴的なスタイルと形状のニッチ・モデルを足場としている。北米国際自動車ショーでビッグ3が展示した自動車を見れば,3社の製造戦略が一様でないことは明白に見て取れる。
北米トラック・メーカーが2006年以降に挑戦すべき問題
532-231821 *Auto.Design & Prod. 2006-1 p.16,18〜19
 北米のトラック市場が底入れしてからまだあまり経たないが,市場の拡大が連続して起きている。2006年のClass 8の大型トラックは,30万台の販売が予想され,2001年の16万台に比べて,市場が2倍近く拡大することになる。指標は全て上げ潮だが,燃料価格の高止まり,環境規制や労働問題に対する懸念など,業界全体に影響を与えかねない重要な問題もある。供給サイドでは規制の変更が,需要サイドでは原油価格の高騰が最大の懸案事項だ。特に固定費水準が上がれば,2007年には30〜50%需要が停滞すると予想される。トラック・メーカーは,そうした予想に基づいて戦略を再考する余地がある。
GM,フォード両社の国内シェアがさらに低下,トヨタは上昇
532-231822 Wall Str.J. 2006-1-5 p.A3,A6図表
 2005年12月のGM,フォード両社のシェアはさらに減退し,住宅市場の軟化やエネルギー価格の不安定により,米国での自動車需要が2006年に低下する恐れが出てきた。両社の幹部とも,2006年は横這いを予想しているが,トヨタは,2005年の10%成長に続き,2006年も5%の成長を予想し,生産を増やしている。2005年12月にトヨタのシェアは13.7%と,前年同月の12.2%から上昇し,シェア15%を目指して北米にさらに工場を開設する準備を進めている。成長の鈍化が見込まれる中,業界のシェア獲得競争は過熱化しそうで,GM,フォード両社には,より厳しい処方箋を示す圧力が高まっている。
ブッシュ政権はGM社とフォード社への財政援助には触れず
532-231823 *Wall Str.J. 2006-1-26 p.A1,A4図
 今週初めに発表されたフォード社の人員削減と工場閉鎖の計画は,1976年にカーター政権が16億ドルをクライスラー社に支援した事実から,政府援助を呼び込むとの思惑を呼んだ。しかしワシントンの援助を求める自動車業界を懐疑的に見ているブッシュ大統領は,GM社やフォード社は巨額の年金負担を理由に支援を求めるよりも,売れる製品を開発すべきであるとの見解を示している。中間選挙以後,特に中西部の諸州で自動車業界の不振は政治問題化する可能性がある。ブッシュ大統領は,自動車メーカーが魅力ある製品を造るには,新燃料を使った自動車を販促すればよいとした。
GM社は大型車継続,フォード社は小型車注力と対照的な戦略披露
532-231824 Fin.Times 2006-1-12 p.19写
 GM社は大型SUV路線継続,フォード社は新たに小型車,ハッチバックに注力と,対照的な戦略を見せている。だが小型車にはホンダ以下,日韓企業がひしめき,高級車でもトヨタがLexus LSの完全リニューアル版を発表して欧州勢と激戦展開の構えで,分野を問わずビッグ3に残された余地は少ない。唯一北米企業が販売増を期待しうるのが,新興のCUV(crossover utility 車)市場だ。今回日産自動車を除く主要メーカー全社がCUVを出展した。この他の注目点は,かつての人気車種の復刻ラッシュ(GMが69年のCamaro,クライスラーがDodge Challenger,Lamborghiniが70年代版Miura)。
成長するクロスオーバー車の新型モデル導入に動くGM,フォード両社
532-231825 Fin.Times 2006-1-9 p.18写
 今週デトロイトで開催された北米国際自動車ショーで,「クロスオーバー車」という語が繰返し使われていた。クロスオーバー車の定義ははっきりしないが,2006年に最も伸びる部門の1つであることは経営側とアナリストで意見が一致している。特徴はSUVと共通する点が多いが,普通乗用車のシャシーで製造される。北米での販売はここ5年で4倍に増え,2005年は約14%アップして初めて200万台を超えた。今年はSUV車の販売を上回ると予想されている。この部門で今までアジアのメーカーに後れをとっていたフォード社やGM社も新モデルを導入する。
フレックス燃料車を大きくプッシュするフォード,GM社
532-231826 *Wall Str.J. 2006-1-10 p.B1,B8表図写
 先週GM社は,いわゆるフレックス燃料車Chevy Tahoeの全国宣伝キャンペーンを開始し,フォード社も先月人気ののF-150ピックアップ・トラックのフレックス燃料版を売出している。フレックス燃料車はガソリンで走るが,同時に85%のエタノールと15%のガソリンを混合したE85でも走行可能。E85で走行できる自動車は,米国に少なくとも500万台あるが,全米17万カ所のガソリン・スタンドのうち,E85を置いてあるのは600カ所しかない。しかし2005年にその数は倍以上に増えており,2006年には4倍に増えるとの見通しもある。11月にフォード社はVeraSun Energy社との提携を発表している。
投資家Kerkorian氏の側近がGM社のリストラ加速へ圧力
532-231827 *Wall Str.J. 2006-1-11 p.A1,A10図
 Kirk Kerkorian氏のTracinda社でアドバイザーを務めるJerome York氏は,1日2400万ドルの現金流出を止めるため,リストラを加速・拡大するようGM社に要求した。クライスラー社やIBM社で経営再建の経験があるYork氏は,1株当り2ドルの配当半減による年間5億6600万ドルの節減,経営幹部の給与の大幅切下げ,低級従業員の賃金引下げ,米国で80モデル以上あるラインナップの間引き,数が売れないSaab,Hummerを切捨てて,大量に売れるコア・ブランドに集中するという処方箋を提示した。この提案に対してGM社のHenderson副会長は「至極真っ当だ」と答えた。
大口投資家のKerkorian氏はGM社に役員を送り込むか
532-231828 Bsns.Wk. 2006-1-23 p.35図
 GM社への投資で4億8000万ドルの赤字を被った投資家のKirk Kerkorian氏は,同社と争うことになる。同社は方針転換をすべきだと,同氏の補佐役であるJerome B.York氏は語っている。同氏側は,Hummer車及びSaab(スウェーデン)の売却と,年間11億ドルのコストがかかっている配当金のカットを提言しているが,同社はどちらも拒否した。同氏はGM社に対する措置をまもなく講ずるだろうと,アナリストは予想している。その成果は同氏が他の大口株主からどの程度支持されるかにかかっている。
GM社がほとんどの車種を値下げ,他社も追随する可能性
532-231829 Wall Str.J. 2006-1-11 p.D1,D3写
 価格設定方法の変更を試みるGM社は,米国モデルの80%の定価を引下げる計画。2005年に50億ドル以上の損失を計上したと見られる同社は,この値下げで顧客を引きつけ,市場シェアを回復したい意向。ウォール街ではこの発表により,競合他社との価格戦争が勃発する可能性があると見ている。今回の値下げは,同時にインセンティブの切下げも含まれており,消費者への最終価格が低くなるかどうかは不透明。GM社は,夏に行った従業員割引の一般適用で売上げは増えたが,副作用で,その後の販売停滞と再販価格の下落を招いた。
GM社の定価引下げ戦略を全米No.1ディーラーが支持
532-231830 Wall Str.J. 2006-1-13 p.A3図
 GM社の北米販売/サービス/マーケティング担当副社長のMark LaNeve氏は,1月に24都市を巡って,同社のディーラーに新しい価格設定戦略の固持を強調する予定である。同戦略は,車の定価を引下げて特定モデルのマージンを減らす代りに,不安定な値引きをやめさせるようディーラーに要求するため,一部のディーラーの間では懸念を表明するところもあるが,大手の間では支持を集めている。収入で全米1位の自動車小売業者であるAutoNation社のMike Jackson会長兼CEOは,この値付け戦略の成否は,GM社の将来にとって決定的に重要だとして支持を表明している。
GM社の新しい価格戦略の実効性に関してディーラーが憂慮
532-231831 Auto.News 2006-1-16 p.4写
 GM社は先週のデトロイト自動車ショーで,平均1300ドルの定価引下げを発表したが,この定価を引下げてインセンティブを大きく切下げるという戦略をうまく宣伝することができないのではないかとの不安が,ディラー間に広がっている。2005年に同社は,3億ドルを費やして“Total Value Promise”キャンペーンを行ったが,スローガンが根付くことはなかった。GM社のマーケティングは消費者を混乱させているとするディーラーすらいるほどで,ディーラーの多くがSaturnやScionで行っている定価方式の採用を望んでいる。
顧客の信頼回復の方法を模索するGM社
532-231832 *Wall Str.J. 2006-1-16 p.B1,B3写
 GM社は,破産手続きの申請を行う計画がないことを強調しているが,2005年1〜9月で40億ドル近い赤字を出した。同社の北米マーケティング・販売担当副社長Mark LaNeve氏は,顧客の信頼を回復するためのコミュニケーション・プランを検討している。同氏の置かれている状況は,1979年のクライスラー社の危機時に,広告キャンペーンを行ったLee Iacocca氏の状況に酷似している。GM社は,Chevroletなどの主要ブランドに重点を置いて,強さと自信のイメージを示す必要があると,DZP Marketing社のJohn Barker社長は述べている。
新モデルの出しすぎはGM社にとって大きな問題
532-231833 *Fin.Times 2006-1-16 p.15写
 GM社が抱えている問題は,医療保険負担などの財務上の困難だけではない。製品開発に関する不適切なアプローチも同社を蝕んでいる。トヨタが少数の品揃えで高い名声を得ているのに対して,GM社は差別化されていないモデルを大量に出しすぎて顧客を困惑させている。同社は米国で,8つのブランドから76モデルを提供しており,今後も新モデルの追加を継続する意向を示している。だが新モデルの失敗率は異常に高く,他の消費財メーカーなら役員が解雇されかねないとの声もある。
ハイブリッド車の開発ペースを上げるGM社
532-231834 Auto.News 2005-12-26 p.25写
 GM社は,電気とガソリンのハイブリッド車開発のペースを上げようとしている。同社は,Malibuセダンのハイブリッド版であるSaturn Vue Greenlineを,1月の北米国際自動車ショーで披露する。同社のハイブリッド・パワートレーン・チームを率いるLarry Nitz氏によると,開発スピードアップのために,社内の他部署の人材から協力を得て,さらには製造するモデルの開発に重点を置いたという。またダイムラー・クライスラー及びBMW社と,2つのモデルでトラック用ハイブリッド・システムを共有したのは,サプライベース強化とコスト削減のためだという。
GMグループのグローバル化戦略で重要な役割を担うGM大宇(韓)
532-231835 *Auto.Design & Prod. 2006-1 p.12,14〜15写
 GM社は,歴史上初めて北米の販売台数を,その他の地域の合計が上回ったが,それに寄与しているが,世界で最も成長しているブランドChevroletである。2005年にChevroletは世界で330万台を売上げたが,そのうち最低13%(43万4000台)は,韓国でGM大宇が製造したものだ。GM大宇は,2001年の大宇自動車倒産後に,GM社が52%を取得して子会社化したもので,中・東欧の工場を買収しなかったため,GM大宇成立後も製造されていた大宇自動車と区別するため,欧州ではChevroletブランドで売り出したもの。中・東欧での同社の販売は,80%増加して,8万台に達した模様。
GM社の2005年の中国での販売が35%増加して記録的水準に
532-231836 Wall Str.J. 2006-1-6 p.A14
 米国では不調なGM社だが,中国での2005年の販売は記録的なものとなった。しかしアジアの自動車メーカーもGM社を激しく追走しており,アジアのメーカーが生産を増やし,地の利を活かして世界で最も拡大が急速な中国市場を支配するのは時間の問題だといわれている。2005年にGM社は中国で66万5390台を売上げ,前年より35%増加した。その結果56万4306台を売上げた市場リーダーのVW社を追い越してトップに立った模様だ。GM社は中国での市場シェアを前年より1.8%上昇の11.2%と見ている。
フォード社再建プランには企業文化改革が必要
532-231837 *Wall Str.J. 2006-1-23 p.B1,B3
 フォード社の再建プランを立案したMark Fields氏にとって,中心課題は企業文化を改革することだ。同氏は改革プランを「Way Forward」と名付けた。同社の重要な基盤である軽トラック購入者を守ることが最優先事項で,新しいモデルで女性顧客を獲得することが次に重要になるという。だが投資家もアナリストも,同氏に対してはかなり懐疑的である。Standard & Poor's社などは,再建策の発表を待たずに同社の格付けを下げた。そうした中で補佐役Anne Stevens氏とRobert Shank氏が様々な議題について,部門横断チームにいた20〜50人のグループで毎日会議を行っている。
北米事業の赤字で大幅人員削減に踏切るフォード社
532-231838 *Wall Str.J. 2006-1-24 p.A1,A16図
 2005年通年で北米市場で15億5000万ドルの赤字を計上するフォード社は昨日,組立工場7工場を含む北米14工場を閉鎖する計画を発表。これに伴い今後6年間に3万4000人の労働力を削減する。大型ピックアップとSUVの生産を重視して工場労働力の維持を優先してきたこれまでの政策から,利益を上げて売ることができる車種を造って顧客の満足を充足する政策へと転換する。フォード社にとって転換は容易ではなく,コストもかかるが,必要不可欠なものである。米国の自動車市場は,販売は記録に近い水準で,失業者は1990年と同様の水準だが,外国車の進出状況が大いに異なっている。
市場シェア減退の歯止めをかける戦略に転換するフォード社
532-231839 Wall Str.J. 2006-1-10 p.A3図
 北米で販売台数を減らしても利益を確保できるようにリストラを進めているフォード社だが,10年に亘る米国シェア減退に歯止めをかけることに焦点を移すと語った。これは最近シェアを優先してこなかった同社にとって大きな変化であり,米国市場が欧州や日本の市場のように6〜8社が似たような企業規模でひしめき合う状態になると考えているようだ。フォード社の米国シェアは,94〜98年まで25%前後を上下していたが,2005年には17.4%にまで下落している。同社のシェア防護策には,長らく無視してきた中型セダン市場やクロスオーバーSUV市場の重視が含まれている。
市場シェア縮小を止めるのがフォード社の最優先課題
532-231840 Auto.News 2006-1-23 p.1,3,56写
 フォード社が泥沼から脱するには,シェアの減少に歯止めをかけることが鍵となる。仮にシェアを失い続けるとしたら,現在計画されている生産施設閉鎖だけでは不充分になってしまうからだ。CEOのBill Ford氏も,米国部門CEOのMark Fields氏も,シェア重視の姿勢を明らかにしている。しかし今後数年シェアの減少を予想するアナリストもおり,今後3年間にさらに2.1%シェアを失うとの予測もある。フォード社の米国での国内ブランドのシェアは,2005年に17.4%と,前年の18.3%から下落している。北米での設備稼働率は75%で,生産台数を1万台減らすか,25%を閉鎖するしかない状態だ。
第4四半期の損失が予想を下回り,フォード社の株価は上昇
532-231841 Fin.Times 2006-1-24 p.18写
 フォード社の2005年第4四半期の純益は,1株当り26セントの5億1100万ドルとなり,アナリスト予測の1株1セントを大きく上回った。北米事業の予想外の復調と英国の高級車部門の業績改善が要因である。北米部門の損失は1億4300万ドルで,前年同期の4億7000万ドルから改善され,アナリスト予測の10億ドルを大きく下回った。これを受けて同社の株価は一時8%上昇したものの,再建計画発表後に再び下落し,最終的に6.2%増となった。ボルボ(スウェーデン),英国のJaguar,Aston Martinを含む高級車部門は,同四半期に4600万ドルの税引前利益と,前年の2億5500万ドルの損失から改善した。
米国でのアジア車の躍進で大きな打撃を受けているフォード社
532-231842 Auto.News 2006-1-9 p.1,39表写
 ビッグスリーにとってここ5年間は厳寒期だが,2005年の販売を2000年と比較すると,状況は一様ではない。フォード社の販売減は100万台を超えている。GM社も46万台余の減だが,Chevroletは約4万6000台販売を伸ばしている。クライスラー社は2004年から市場シェアが上昇に転じている。それに対してフォード社の売げ上減は全般にわたっており,シェアは95年の25.7%から2005年には17.4%にまで下落した。1月23日にBill Ford氏は最新の再建プランを発表することになっている。
フォード社の大幅なリストラ計画を立案したマツダ出身のMark Fields
532-231843 Economist 2006-1-7 p.63写
 フォード社は,国内シェアが一時の25%から18%にまで落ち込み,2005年1〜9月の自動車事業は17億ドルの赤字で,クレジット事業のみ黒字という苦境にあるが,現状のシェアに合わせたスリム化を図る模様。計画では,約1ダースの組立/部品工場の閉鎖や3万人(ホワイトカラー4000人を含む)の削減,上級幹部多数の勇退も含まれる。計画を立案したのは,マツダを再建し,現在は米国事業を統括する44歳のMark Fieldsで,90年代からTrotman,Nasser,Bill Fordと続く同社再建の努力を引き継ぐことになる。同氏は,リスクを採る体質を助長すると共に,GM社追随型のブランド戦略を改め,乗用車事業を再度中核に置く方針。
フォード社がレイオフした従業員に大学教育の費用を提供
532-231844 Wall Str.J. 2006-1-18 p.B1,B3表
 フォード社は先週,同社の工場からレイオフしたUAW(全米自動車労組)の組合員に対し,無料で大学教育を受けられる“free education”の提供を開始した。12月に閉鎖したオハイオ州Lorainでレイオフした従業員にさっそく適用するという。このプログラムは,従業員が新たなキャリアや分野に進む上で役立つと同社のスポークスマンMarcey Evans氏は述べた。UAWとの協定では,リストラ策などで働いていない組合員も,給料と手当の支給を受ける権利がある。だがこれだと再教育手当を直接的には支給できない。
フォード社が赤字のJaguar社(英)救済のため更に12億ポンドの投資
532-231845 Handelsblatt 2005-12-27 p.15写
 フォード社にとってJaguar社は底抜けの樽状態になった。89年にフォード社が買収して以来,Jaguar社は赤字を垂れ流し続け,フォード社は既に60億ドル以上の投入と1150人の削減を実施し,さらに主要工場の売却も検討しているが,赤字解消にはつながらない。Jaguar社は,2004年に税引前損失4億3000万ポンド,2005年も大幅赤字で,売却の噂も出ていたが,米国市場で不振に喘ぐフォード社は,Jaguar社救済のためさらに12億ポンドの資本注入を行って支援を継続している。
好調だったクライスラー社の業績に曇りマークがつく
532-231846 Bsns.Wk. 2006-2-6 p.39写
 ダイムラー・クライスラー社のクライスラー部門は,300セダンの好調もあり,2005年推定17億ドルの営業収益を上げたが,今年は12億ドルに減益が予想される。フォード,GM両社の値引き合戦の影響でリベート幅が拡大しているのに加え,実売までの在庫期間が82日と業界平均より20日近く長い。新たなヒット車が必要だが,今年投入されるNeonコンパクトの代替車(Dodge Caliberなど3車種)では荷が重そうだ。ファミリー・セダンもモデルチェンジの予定だが,この市場は激戦区。またドライバーのクライスラー,Dodge両ブランドへの愛着度も20%と,トヨタ(43%)やホンダ(35%)よりかなり低い。
製造部門の柔軟化を目指すクライスラー社
532-231847 *Auto.News 2005-12-26 p.18写
 クライスラー社は今後4年間で,ミズーリ州Fentonにあるプラント2カ所の設備更新に10億ドルを投資する。より多くのモデルを製造できるフレキシブルなプラントを求めているからだ。1つのプラントで製造プラットフォーム3つとパイロット・モデル1つを備えると,同社のFrank Ewasyshyn製造部長は述べている。導入するタイミングについては市場の需要次第としている。また最大の課題は,人材の育成が重要であると組織全体に浸透させることだという。幹部とのインタビュー記事。
品質重視の戦略で67年連続黒字を続ける大型トラックのPaccar社(米)
532-231848 Bsns.Wk. 2006-1-30 p.66写
 Kenworth,及びPeterbiltトラックを製造しているPaccar社は,Business Week誌の業績良好な大企業50社で全体の16位にランクされた。2005年の売上げは141億ドルで,11億ドルの黒字だった。同社のトラックに価値があるのは,設計やテクノロジーからディーラーの経験に至るまで,品質を最大限に重視しているからだ。2007年にはディーゼルエンジンに対する厳しい規制が実施される。基準を満たすエンジンは8000ドル以上になると見られ,これにより収益は下ると見られているが,それでも同社は利益を確保するだろう。
VW社が欧州で復活を遂げる
532-231849 Auto.News 2006-1-23 p.20表
 2005年に米国で12.5%販売が減少したVWブランドだが,欧州では新車の発表に助けられ,2004年の9.8%から10.2%にシェアを伸ばした。グループ全体では294万台を販売し,シェアも19.3%と,2004年の18.6%から上昇している。その煽りを食って減少したのがルノー社で,2004年はシェア10.2%を獲得して,欧州最大のブランドとなっていたが,2005年はシェア9.6%にまで落ち込んだ。米国メーカーの中で,最も苦戦したブランドはフォードで,売上げを3.4%落とした。傘下のJaguar社(英)の売上げも22.2%急落して4万6815台,唯一の救いがLand Rover社(英)で,9.3%増えて7万7792台だった。
販売好調のAudi社がVWグループの収益を下支え(独)
532-231850 Handelsblatt 2005-12-20 p.11図写
 VW社の子会社Audi社は,競争激化の中で高い資本収益率を達成し,2004年にはVWグループ収益の半分以上を稼いで,赤字化を防いだ。2005年は販売台数82万台を達成し,更に収益に貢献すると思われる。また2008年以降は年間100万台以上を販売する計画で,そのための新車開発投資を積極的に行う。2006年には新オフロード車Q7の発売や大型SUVの強気販売見通しなどで,収益を更に増加させる計画。
業績目標達成のために徹底したコスト削減を計画するVW社
532-231851 Fin.Times 2006-1-9 p.18写
 VW社の積極的なコスト削減策は,同社が2008年までに取組むべき大きな問題を示唆している。同社にとって2008年は鍵となる年で,税込みでの収益目標は51億ユーロだ。これを達成するために,VWブランドを率いるWolfgang Bernhard氏は想像以上の厳しい再建策を準備しているという。だがこうしたプランに疑問を投げかけているアナリストは多い。2007〜08年には,同社のモデルの多くが古くなることも再建策の妨げになると指摘されている。
労務費の削減方法と米国市場での販売増を探るVW社
532-231852 Wall Str.J. 2006-1-9 p.B3
 VW社は,最も生産性の高い競合他社に比べ,自動車組立にかかる労働時間が倍で,米国市場で1台当り数千ドルの費用劣位に追い込まれている。2005年に北米で10億ドルの損失を出した同社は,2006年に黒字回復はないものの,赤字の大幅な削減を見込んでいる。セダンの新車Jetta,Passatを発売したことから,販売台数の好転が見込まれるからだ。同社は米国で30万台を売る必要があるが,VWブランドのトップWolfgang Bernhard氏は,2006,07年にその数字に達するのは困難との見通しを示した。2005年のVW社の米国での販売台数は22万4195台で,前年比12.5%減少した。
販売減少に対処するため米国へ消費者調査チームを派遣するVW社
532-231853 *Wall Str.J. 2006-1-4 p.B1,B9写
 VW社は,自社製品を米国の消費者により魅力あるものとするために,米国文化のより深い理解を目指して,1年半に亘るMoonrakerプロジェクトを実行している。VW社は過去2年間,米国で10億ドル以上の損失を出しており,長年に亘り米国顧客からのミニバンやSUVを求めるフィードバックを無視してきたツケが出ている状態だ。このプロジェクトの最初の成果は,今週のロサンゼルス自動車ショーで発表される予定で,同社はハイテクを利用した楽しい3輪コンセプト・カーを発表する。Moonrakerのチームを同社が結成したのは2004年12月で,欧州人19人と米国人4人が任命されている。
VW社が中国市場で再浮揚を図るため安価な新モデルを開発・生産へ
532-231854 Handelsblatt 2005-12-20 p.12写
 VW社は,85年に中国市場でサンタナの生産を開始し,中国で最大の販売数量を誇ったが,その後は技術的にも視覚的にも遅れてしまったため,安価な後継機種を2009年には市場投入する予定。しかし安価モデルの販売には中国での開発と生産が不可欠なため,まず開発・デザインセンターを上海に設置する。同社は市場シェアをかつての50%から17.3%まで落としており,さらに低落傾向にあるため,安価モデルの投入と第一汽車との合弁会社の経営陣入れ替えで対処する。
メルセデス,クライスラー両部門の関係改善を目指すダイムラー社
532-231855 *Fin.Times 2006-1-25 p.17,22図写
 ダイムラー・クライスラー社の新CEOとなったDieter Zetscheは,官僚主義の打破と,メルセデス,クライスラー両部門の協力関係の構築を約束した。同氏はまず,クライスラー部門の効率的な経営・生産手法をメルセデス部門に持ち込もうと考えている。また両部門で部品を共通化し,エンジニアリング及び設計費の抑制と開発の迅速化を目指す。一方再建計画として,3年間に6000人のホワイトカラーを削減して年間10億ユーロの経費削減を目指す。
品質改善で米国の消費者イメージの好転を図るメルセデス
532-231856 Wall Str.J. 2006-1-30 p.B4写
 ハイテク・ブレーキ・システムの欠陥などで米国高級車市場で2位から4位に転落したメルセデス・ベンツ社は,ここ数年,品質向上に取組んできたものの,消費者の同ブランドに対する信頼再構築は困難な課題となっている。S-classセダンの新デザインが2月に披露されるに当り,親会社ダイムラー・クライスラー社では,通常の年6〜7本に対して60〜90本ものプリント広告を今年中に展開して,消費者にS-classのエンジニアリング,技術の高さ,安全性,及び高級感を訴求する。Mercedesは広告キャンペーンにいくら費やしたか明らかにしないだろうが,2005年には1億200万ドルの広告費を使ったとされている。
2006年に大きな計画を立てるAMG社の新CEOインタビュー(独)
532-231857 *Auto.News 2006-1-16 p.24P,24R表写
 Mercedes-AMGの新会長Volker Mornhinweg氏は,BMWのMシリーズや,AudiのRSモデルに加え,Jaguar,Cadillac,レクサスなどの挑戦を退けるため,2段クラッチを採用し,AMGをスポーティにし,スーパーチャージャをターボに替えてエンジンのパワーアップを図るほか,外観を先鋭的に変化させる意向。メルセデス・ベンツ社は99年にAMG社の支配権を獲得し,その年5000台だった販売台数は,2004年には2万台に増えている。AMG社にディーゼルエンジンを搭載するプロジェクトはないが,ハイブリッドに関しては詳細に検討中だとした。
欧州車の中で米国で販売トップを目指すBMW社(独)
532-231858 Auto.News 2006-1-2 p.38写
 北米BMW社は,再び販売台数でメルセデス・ベンツを上回るだけでなく,米国でトップの欧州ブランドになることを目指すと,同社のTom Purves北米部門CEOは述べた。同氏は,99年の就任後,北米BMW社の売上げを倍増させ,Miniの販売も開始した。3シリーズの売上げ増加について,同氏は買い手側のダウンサイジングによるとは考えていないという。X3に関しては,他との明確な差別化が必要だと述べている。また5シリーズの販売は増加しているが,メルセデス・ベンツのEクラスも伸びており,このクラスの市場は好調という。
BMW社(独)がドル安のメリットを生かすため米国での生産を拡大
532-231859 Handelsblatt 2006-1-11 p.12写
 ドイツの自動車メーカーBMW社は,長期のドル安で米国での生産にメリットが生じているため,米国内生産の規模を従来よりも拡大する方針を示した。ライバルのダイムラー・クライスラー社は,クライスラー社買収以来,ドル地域で販売する車の割合が全体の50%にも達し,為替変動に対して自然の防衛策となっているが,BMW社のドル地域販売台数は全体の25%程度に過ぎないため,長期のドル安は業績に年間5〜8億ユーロに及ぶ不利な影響を与えると見られる。
高収益を続けるドイツのBMW社を内側から駆動するもの(特集)
532-231860 *Auto.Design & Prod. 2006-1-1 p.34〜43写
 ユーロや原材料価格の高騰,エネルギー費の値上りなどの中で,BMW社は売上げを伸ばし,2005年1〜9月に6.4%の利益率を達成した。これは前年同期の7.6%には劣るが,競合他社の大多数を上回っている。成功の継続の理由として,米国部門会長兼CEOのTom Purves氏は,「正しいイノベーションの方向性」を挙げている。スポーツカーとしてのルーツを忘れたような,ハイテク装置の搭載と外観の変化には批判も多いが,米国での販売は99〜2005年に91%増加している。この特集では,他にMシリーズ,設計部長Chris Bangle氏の情熱,モーター・スポーツ,歴代の名車等を取り上げている。
非難の格好の対象だったBMW社の設計トップがデザインの教祖に(独)
532-231861 Wall Str.J. 2006-1-12 p.D4
 BMW社のチーフ・デザイナーである米国人のChris Bangle氏は,2001年に同社が基幹モデルの7シリーズのスタイルを変更した際に指揮を執った結果,BMWのファンや自動車ジャーナリストにひどく扱き下ろされた。しかし2006年の北米国際自動車ショーでは,トヨタのカムリやメルセデス・ベンツのSクラスなど,同氏の仕事に強く影響を受けた車が何台も出品された。Bangle氏のデザインしたモデルの成否は不透明であったが,近年は評判も上々で,BMW社の記録的な売上げに繋がっていると見られている。
極めて風変わりな手法で広告代理店を選定したBMW社(独)の米国MINI部門
532-231862 *Bsns.Wk. 2006-2-6 p.80〜81図写
 米国MINIの広告代理店であったCrispin,Porter+Bogusky社は,2004年9月突然その3000万ドルの取引を放棄し,VW社との4億ドルの契約に乗り換えた。米国MINIは直ちに新たな代理店選びを開始し,絞り込んだ4社を一堂に集め,自己紹介に趣向を凝らせ,お互いを顧客に見立てて説得させ,町に出て想定外の事態にどんな対応がとれるかを試すなど,異色の選考手法をとった。顧客と代理店の関係は最初が大切で,当初の結束に失敗すれば2年ももたず壊れることも珍しくないが,2カ月にわたる1+4社の共同作業は緊密な人間関係を醸成した。選ばれたのはカリフォルニアのButler Shine社。
市場縮小と価格面の不利でプジョー・シトロエン社が利益率を低下
532-231863 Handelsblatt 2006-1-12 p.16図写
 フランスのPSA プジョー・シトロエン社は,2005年の目標利益を引下げたにもかかわらず,達成できそうにない。税引前利益の19億4000万ユーロ,対売上げ比率の3.4%は当初の目標4〜4.5%を大幅に下回った。欧州自動車市場の縮小に加え,価格面での不利が重なったのが原因。2006年には欧州自動車市場の回復と新モデルC1,プジョー107,上級リムジンC6にかける期待が大である。また4月発売の小型のプジョー207にも期待を寄せている。
Idestyle社,子会社MBPM社の新工場で試作車事業本格始動へ(仏)
532-231864 *Usine Nouv. 2006-1-5 p.56〜59写
 Idestyleグループは,あらゆる分野の700あまりの製品の開発・設計など,顧客と共同作業を行っており,自動車メーカーの開発プロジェクトにも多く参加していたが,様々なボディラインを望む市場の要求に応えるため,2004年にプロトタイプ模型分野の専門企業MBPM社を獲得した。Yvelines県のMaurepas工場は旧カワサキのバイク組立工場で,600万ユーロが投資され,自動車メーカーと同水準の非常に近代的な工場が完成した。現在2009年に市場登場予定の試作車が厳重に管理保護されている。Idestyle社の2005年売上げは5400万ユーロ,同工場での売上げは1200万ユーロ以上の見込み。
トヨタのレクサス,韓国輸入車市場でBMWを抜いてNo.1に浮上
532-231865 毎日経済新聞 2006-1-5 p.A16
 韓国では,2005年の外国車登録台数が3万901台を記録し,前年比で32.4%増えた。ブランド別ではトヨタのレクサスが5840台で,99年以来首位だったBMW(5786台)を押さえNo.1に浮上した。トヨタは2001年の韓国進出以来,初の年間首位。3位はメルセデス・ベンツ(4012台)で,以降ホンダ(2709台),アウディ(2698台),クライスラー(2158台),VW(1635台),フォード(1353台)と続く。モデル別ではレクサスES330が2368台で最も多く,ホンダのCRV(1288台),BMW320(1249台)の順。地域別ではソウル(42.5%),京畿道(30%)が中心で,首都圏比率は72%を超える。
フィアット社が各国メーカーと戦略提携を推進
532-231866 Handelsblatt 2006-1-4 p.16写
 フィアット社は,資本関係を含めたGM社との提携に失敗して以来,各国の自動車メーカーとの戦略的提携を進めている。ロシアではSeverstal社と新たな提携を結び,2007年以降ロシアでSeverstal社がフィアット社の乗用車2モデルPalioとAlbeaを生産し,さらに提携拡大と他のフィアット・モデル生産の可能性を探る。フィアット社ではさらに,フィアット・モデルの乗用車や小型貨物車の輸入と販売も行う。またフォード社とは,同一車台でのフィアット車とフォードKaの共同生産をポーランドで行う。
インド市場で不振のフィアット社,Tata Motors社が2車種を販売へ
532-231867 24 Ore 2006-1-12,2006-1-14 25図写,17写
 インドのTata Motors社がフィアット車を同国で販売することで合意が設立した。販売する車種はFiat Auto社が現地生産するPalioとSienaで,同国ではIndicaとIndigoのライバル車と位置付けられる。Tata社の工場でのフィアット車生産は予定されていないという。同国市場でのフィアット車販売台数は,近年減少を続けており,2005年1〜11月には1600台まで落込んだ。現地生産はKurla工場でPalioを年間数百台作っているのみで,Ranjangaon工場は未稼働のままである。
神秘性を売ることがフェラーリ社のビジネス(伊)
532-231868 Wall Str.J. 2006-1-24 p.D2写
 北米で売り切れ状態の12シリンダーFerrari Superamericaは,年に1500台しか納品されない。先ごろの展示会で発表された同社の110万ドルの800馬力12シリンダーのFXXは,事実上F1のレーシングカーだが,1年の生産台数はわずか20台で,選び抜かれた顧客限定で販売される。同社では,2万人の富裕な顧客との接点を生かして発売情報やイベント案内を告知し,車ばかりではなく高級アクセサリーに至るまで,Ferrariブランドの神秘性を高めることを長期戦略の基本に据えている。
Maserati社の売上げを引き上げるQuattroporte(伊)
532-231869 *Auto.News 2006-1-23 p.44表写
 米国市場に再参入して4年が経つMaserati社だが,2005年には北米で約2100台を売り上げたようだ。好調な販売の中心となったのが10万6850ドルのQuattroporteで,2004年の同社北米販売台数1144台からの大幅な増加に貢献した。発売から1年のQuattroporteは,2005年に北米で約1500台を売上げ,同社の60%程度を占めたものと見られている。北米部門社長のJames Selwa氏によれば,同社は2010年までに世界で1万台を販売する計画で,半分を米国で達成したい意向。また2005年2006-1より,Ferrari社からMaserati社の所有権を譲り渡されたAlfa Romeo社も,米国に近々再進出の予定だ。
2輪車メーカーMVアグスタ社が再びイタリア資本に
532-231870 24 Ore 2005-12-28 p.16写
 マレーシアのProton社とイタリアのGevi社は,前者が2004年に7000万ユーロで取得した2輪車メーカーMV Agusta社の支配株式(57.75%)を後者に売却することで予備的合意書に署名した。売却額は名目的な1ユーロだが,Gevi社は1億694万ユーロの債務を引受け,さらに当面の運転資金3250万ユーロを調達しなければならない。MV Agusta社は,前身が1907年創業の航空機メーカーで,モーター・スポーツで数々の輝かしい戦績を誇る。Gevi社の株は信託会社に信託されており,実際の出資者は不明。
2輪車の老舗ベネッリ社(伊)が中国資本で操業再開
532-231871 24 Ore 2005-12-28 p.16
 中国のZhejiang Qianjiang Motorcycle社(錢江摩托)が買収した中伊マルケ州ペーザロの老舗2輪車メーカーBenelli社が,2006年1月から生産を再開する。2005年9月に合意された買収額は5270万ユーロで,2002〜04年に発生した債務600万〜700万ユーロも継承する。従業員48人を再雇用し,2006年にオートバイ3000台を生産。2007年5000台,2008年1万台と拡大する計画である。また50ccの原付自転車については,中国製の部品による組立生産のみを行う。
相変わらず赤字のSaab社(スウェーデン)がGM社の業績悪化を加速
532-231872 Handelsblatt 2006-1-17 p.14写
 GM社が90年にSaab社を買収して以来,Saab社は赤字から脱却できず,2005年も業績不振でGM社の欧州事業を更に赤字に追いやる結果を残した。GM社は,2004年以来欧州子会社のSaab社とOpel社(独)に厳しいリストラ策を導入し,ドイツでは約9000人の雇用削減を図った。またSaab社についても,GM経営陣は2004年には分離を検討したが,結果としては支援の継続を決断した。2006年については新モデル9-5と9-3スポーツコンビの投入での巻き返しを狙っている。
ロシアのSeverstal Auto社が2007年からフィアット車2車種を組立生産
532-231873 *24 Ore 2006-1-4 p.26写
 ロシアのSeverstal Auto社が同国ナベレジヌイエ・チェルヌイの工場でフィアット車を組立生産する。トルコのTofas社(Fiat Auto社と現地のKOCグループの合弁)が部品を供給する。2007年からPalio,Albeaの2車種を生産する計画で,生産台数は発表されていない。フィアット側はロイヤリティと部品販売収入を得る。同社は1年前にイランと同様な契約を結んでいる。Severstalグループは,UAZ(乗用車),ZMZ(エンジン)の両社や,イタリアの鉄鋼会社Lucchini社を傘下に持つ。
国外での増産を目指すチェコの自動車メーカーSkoda社
532-231874 Fin.Times 2006-1-16 p.18写
 Skoda社は,自動車の生産を2005年の49万4000台から2008年までに20%増に引上げることを計画しており,将来的には100万台突破を目指す。増産の大半は国外で行われる。すでにウクライナ,ボスニア,インド,カザフスタンの工場で増産に乗り出している他,2007年には上海の生産ラインが稼動を始める予定。また親会社のVW社とモスクワでの合弁事業も開始する。同社はVWグループ内で,新市場への進出の支援という重要な役割を担っている。2005年にSkoda社は,生産開始から100年と,VWグループ入り以来の合計生産台数500万台突破という2つの重要な節目を迎えた。
日本の自動車会社が米国市場に小型車を相次ぎ投入,韓国車を牽制
532-231875 毎日経済新聞 2005-12-26 p.A1
 トヨタは,2006年からカローラ(1800cc)とともに,小型車ヴィッツ(排気量1000〜1500cc)を投入し,日産自動車も1800cc級のヴァーサを投入して,年間10万台販売を狙う。ホンダも2006年からフィット(1300〜1500cc)を売り出し,売上げ6万台を目指す。日本企業が米国市場に相次いで小型車を投入するのは,小型車中心の現代自動車の好調と関係がある。韓国の小型車シェアは,輸出が始まった93年は0.8%程度であったが,その後低価格を背景に急上昇し,2004年は4%を越えた。最近は石油値上の問題などもあって急速に伸びているので,日本自動車企業が韓国車の牽制に乗り出したと見られている。
現代自動車,2006年は売上げ41兆4000億ウオン,販売269万台を目標(韓)
532-231876 毎日経済新聞 2006-1-11 p.A15
 現代自動車は,2006年の販売目標を前年比15%増の269万台(国内177万台,海外92万台),売上高を18.8%増の41兆4000億ウオン(国内30兆ウオン,海外11兆ウオン)とした。2006年経営計画の特徴は海外事業の拡大で,国内生産の4%増に対し,海外部門は45%の大幅増となっている(北京現代が30万台,米アラバマ工場が主力車サンタフェの投入で200%以上の27万5000台生産が見込まれるため)。また現代は,流通網を拡充し,現在700カ所の米国内販売代理店を770程度まで増やす。競争力強化のため投資は3兆4360億ウオン(28%増)とし,R&D投資に約2兆ウオン投入して,対売上げ比率6.5%に引上げる。
現代自動車(韓),デトロイトの技術研究所に9400万ドル追加投資
532-231877 毎日経済新聞 2005-12-23 p.A13
 現代自動車は,10月に6800万ドルを投資して完成した技術研究所をさらに拡充するため,9400万ドルを追加投資し,従業員も現行400人の他に600名を追加雇用する。今回の増設では,デトロイト市が20年間に3260万ドルの税額控除を承認し,地元でも1210万ドルの減税を約束した。研究所は敷地7万4000坪,延建坪4800坪で,エンジン,シャシー,設計関連研究施設などがある。敷地内には小規模な走行試験場があり,米国消費者に適合する自動車の開発拠点に位置づけられている。
現代自動車(韓)のソナタ,米国市場で176車種中で第7位に浮上
532-231878 毎日経済新聞 2005-12-28 p.A15
 現代自動車の代表ブランドのソナタが,2005年11月の米国月別販売台数で第7位に浮上し,80年代に米国進出して以来の快挙となった。11月の販売台数は1万4216台で前月より46.9%増えた。11月の最大販売モデルはトヨタのカムリの2万9707台で,同じくトヨタのカローラ(2万3718台),ホンダのシビック(2万3695台),ホンダのアコード(2万3548台)と1〜4位まで日本車が占めた。現代自動車の関係者は,月間販売ランキングで韓国車が10位内に入ったのは80年代半ばに年間20万台を販売したエクセル以来としたが,燃費のよい日本車や韓国車に対する米国消費者の根強い人気を表している。
現代自動車(韓),レクサスを手本に超高級車に進出,2006年末から米国発売
532-231879 毎日経済新聞 2005-12-26 p.A13表写
 現代自動車は,トヨタが米国で販売した超高級車レクサスの成功を受けて,プレミアムカーの開発に乗り出した。最初は中大型セダンBHで,2006年末発売を前提に,レクサスES330をライバルに見立てている。第2モデルは2007年末発売予定の高級大型SUVのENで,ライバルはレクサスRX330とBMWX5。2008年初めに発売するVIは大型セダンで,レクサスLS430とBMW7シリーズがモデル。同じく2008年発売予定の高級多目的乗用車POの競合車はボルボXC70とインフィニテイFX。現代はこうした高級車を米国市場に逐次投入するが,販売網は新規に構築し,ブランド力で勝負する。
サービス向上のためにITに目を向けている現代自動車(韓)の米国法人
532-231880 Auto.News 2006-1-2 p.23写
 米国現代自動車のサービス部門長に就任したDon Dees氏に,2006年の同社の目標について聞いた。品質の高さが同社の強みと語る同氏は,ディーラーの数を急激に増やしてきているので,適切な研修を行う機会が得られていると述べた。また顧客満足度を高める努力を続けていく必要があるという。J.D.Power社の顧客サービス指数で,同社は2004年34位,2005年は26位だったが,長期的にはトップを目指すという。さらにIT導入で顧客対応を迅速化することを考えていると語った。また2006年の目標として,製品品質の向上継続と顧客満足度の向上,ディーラーの効率性の改善等を挙げた。
韓国の現代自動車が欧州市場に積極攻勢,2006年は40万台目標
532-231881 Handelsblatt 2006-1-3 p.12図写
 韓国の自動車メーカー現代自動車が欧州で攻勢を強めている。2006年には世界での売上げを前年比18%増の約990億ドル,台数を412万台まで伸ばそうと計画しているが,中でも欧州を重視し,2006年の年間販売台数40万台を目指し,さらにこれを2010年末までには倍増させるとしている。既に現代と起亜の2社でドイツ市場の約3%のシェアを確保し,フィアット社を上回った。さらに現代は,2005年にはチェコに2番目の工場の建設を開始しており,2008年以降は供給能力が倍増する。
現代自動車,勤務時間帯を38年ぶりに変更,70分時短(韓)
532-231882 毎日経済新聞 2005-12-23 p.A13表写
 現代自動車は,労使合意によって38年振りに昼間組の勤務時間帯を変更し,現行の8時退勤を6時50分に早める。現在の昼間組作業シフトは朝8時から夜8時までが正規で,午後5時の正常勤務終了からは1時間の夜食を挟んで午後8時に退勤することになっている。しかし12月26日からは午後5時から15分間の中食を挟んで仕事を継続し,午後6時35分に退勤するので拘束時間は70分短縮される。なお夜間組の勤務帯は午後9時から翌朝午前8時までで10時間の勤務体制には変わりがない。現行勤務のシフトは1967年創立以来38年間実施されてきた。新勤務体制は2009年まで実施し,以降は労使で協議するとしている。
欧米市場進出を目指す中国最大の民間自動車メーカーGeely社
532-231883 *Bsns.Wk. 2006-1-9/16 p.20〜21表写
 98年に冷蔵庫部品から自動車に転身したGeely社(吉利)は,現在低価格車10モデル(3700〜1万7000ドル)を生産し,2005年の販売台数は24%増の12万台,国内シェアは4.9%。2005年6月には2年後に高級車に参入する計画を発表し,2006年は2工場増設で能力を倍増する。既に中東,中南米など30カ国に輸出しているが,2010年には75万台を生産し,その半数を輸出する計画で,欧米への進出を目指す。ただし品質向上が不可欠で,R&D体制の強化が急がれる。また低級車市場も国内2社(Chery,天津汽車)が拡販を進め,GM社もシボレーのブランド力を高めるなど,競争は激化している。
南京汽車(中)が英国のMG Roverデザイン車を製造の計画
532-231884 Auto.News 2006-1-16 p.40D写
 南京汽車は,上海汽車(SAIC)との知的所有権を巡る法廷闘争が続く中,MG Roverデザインをベースとした自動車を製造する計画を早めている。2007年には南京はRover 75セダンをベースとした自動車MG 7を1万7000台,MG TFをベースにしたオープンカー7000台を製造する計画。南京は,製造を2007年3月に開始する計画で,中国と旧MG Roverの英国Longbridge工場を稼働させる意向。2011年までには,南京はMG 7を8万5000台,MG TFを2万5000台製造する目標を立てている。可能な限り多くの部品を中国で調達し,コストダウンを図りたい意向。業界は,南京の計画達成を疑問視している。
FAW社(中)買収で製造業大手に躍進したBharat Forge社(印)
532-231885 *Fin.Times 2006-1-4 p.10
 インド最大の自動車部品企業Bharat Forge社が,中国の自動車メーカーFAW社(第一汽車)を買収した。この買収により,Bharat Forge社は10万トンの製造能力と地元市場シェア30%を確保し,合計製造能力60万トンはThyssenKrupp社(独)にも匹敵する。Baba Kalyani会長は,この買収でBhart社のグローバル戦略は完了すると述べている。同氏は,製造と加工工程の統合に取組み,製造にかかる時間を短縮させた。同社の2005年の連結売上は25億ドルに達し,うち39%が外国の関連企業のものである。今後の同氏の課題は,技術で格差のある中国企業をどのようにグループに統合するかである。
VW社との提携破綻で先行き厳しいProton社(マレーシア)
532-231886 Fin.Times 2006-1-14 p.8写
 昨日Proton社の株価が11%下落したことは,VW社との提携破綻で,同社の再建策が時間切れになった可能性を示唆している。アナリストは,同社が新たなパートナーを見つけるのは困難と考えている。同社に関心を寄せるのは,現代自動車(韓),プジョー,フィアット社ぐらいと言われている。Proton社の国内シェアは,ここ5年で70%から40%にまで下っており,ここ2四半期は赤字に転落した。政府が政治的介入をやめれば,同社はまだ外国の投資家を引きつけられるだろう。