<電機・電子一般>
情報技術特集:新世代のネット起業家,ICタグなど
524-229049 *Fin.Times 2005-4-20 p.S1〜S6表図写
 かつてのドットコム・バブルの崩壊から教訓を得た新世代のネット起業家が増えており,ウェブ・ビジネスの姿にも影響を及ぼそうとしている。例えば映像などの高速配信ネットワークを提供するBitTorrent社は,配信コストは急速に低下しており,これがゼロになればコンテンツ・ビジネスは消滅すると予測する。特集の他の項目は,中国がウェブ利用者の増加を看過できなくなるなど変化しつつあるインターネット,2009年には世界市場の規模は28億ドルになる無線ICタグ,大手流通業者には導入のメリットがあるもののメーカーにはメリットが少ないICタグ,EUのソフトウェア特許など。
情報技術特集:ホーム・エンタテインメントを巡る競争の舞台は家庭の居間など
524-229050 *Wall Str.J. 2005-4-25 p.R1〜R11表図写
 ホーム・エンタテインメントを巡る競争は,今後数年間は続くことになるだろうが,当面の間はComcast社やTime Warner社などのケーブルTV企業が優位を保つことになると多くの専門家が指摘している。またソフトを巡るケーブル企業と電話会社,ハードを巡るパソコン企業と消費者用電子企業という2つの対立構図も浮かび上ってきた。この特集では他に,大人と子供の中間層を狙う消費者用電子製品,スポンサーが集まらないHDテレビ放送,企業研修に取り入れられるテレビゲーム,会計用ソフトの進化,子供たちのウェブ認識の意外な低さなどが取り上げられている。
情報技術特集:音声認識,公共部門のIT,バーチャル・リアリティなど
524-229051 *Fin.Times 2005-5-4 p.S1〜S6表写
 世界で34万7000人をつなぐ構内ネットワークNMCI(海兵隊/海軍イントラネット)を推進する米国海軍は,4年半前にシステムの構築をElectronic Data Systems社(EDS)に発注した。10年で80億ドルという大型投資だが,ネットワークの規模と複雑さのために作業は遅れ,ようやく満足できる水準に達した。特集の他の項目は,国際市場を意識して国内見本市への参加は避ける中国のハイテク企業,経費削減の手段として会話認識ソフトに注目する企業:基本的なやり取りには対応できるようになった応答システム,失敗事例ばかり耳目を集める英国の巨額IT公共投資,データ・センターを変えるバーチャル化ソフトなど。
7年サイクル説によれば,消費者ITの展開を契機にIT需要の拡大が始まる(米)
524-229052 *Bsns.Wk. 2005-5-16 p.56〜57表図写
 2005年の国内設備投資に占めるITのシェアは,97年(3.8%)とほとんど変化がなく4.1%で,消費者側でもITブームは見られない。この間米国では,住宅,健康関連に資金が投じられた。ただIT産業のシェアの増減には7年サイクルがあり,97〜2005年は衰退期に当る。今後利上げの影響で,消費者は住宅や自動車からIT製品購入に転換しそうだ。今までも,携帯電話,薄型TV,MP3など一部の先端消費者IT製品は,7年サイクルとは関係なく好調だったが,今後ブロードバンドや有料の音楽・映像ダウンロードなど,多岐にわたる分野で伸びが期待できる。急降下してきた電話料金もこの数カ月下げ止まっている。
これからの企業のITはシステムではなくプロセスが重要になる
524-229053 *Fin.Times 2005-5-4 p.11写
 90年代のIT投資の結果として企業が手に入れたのは,互換性に欠けるITシステムの集合体である。大手ソフト企業が新たに提唱する「サービス指向のアーキテクチャ」(SOA)は,技術のセットを利用して企業のITシステムを弾力的かつ効率的にしようとするもの。企業の機能を自動化するアプリケーションを提供しているSAP社(独)によると,プロセスの扱いに優れている点を競争上の強みにとして成功した企業がWal-MartやDell社などである。これからはプロセス革新の時代に入るとSAP社は読んでいる。
米国の医師と病院の情報技術に対する無能と無策が患者の命を奪う(特別記事)
524-229054 *Economist 2005-4-30 p.55〜57図写
 Cynthia Solomonが開発したコンピュータ・システムFollowMeを利用すれば,理論的には前ての医師がいつでも自分の患者の医療データにアクセスできる。しかしFollowMeにはまだ400家族のデータしか入っておらず,医療現場が近代的情報技術を使っていないこと示している。他の情報集約型産業では収入の約10%をITに投資しているのに対して,医療業界では約2%に留まっており,回避できたはずの医療過誤により米国では年間4万4000〜9万8000人が死亡している。究極的に必要な医療ネットワーク技術は,個人が自分の健康についての情報にアクセスし,データを自ら手に入れることができるものである。
需要・供給両サイドでの構造変化に対応するため変身を図る欧州ITサービス企業
524-229055 *Bsns.Wk. 2005-5-9 p.27〜28表写
 欧州のITサービス市場(2005年2120億ドル)は,競争激化により薄利化し,顧客企業のグローバル化に伴い,国内に留まらない事業展開を求められている。しかも日常業務はインド・東欧への移転が進み,標準仕様のソフトの質も高度化する中,存在感を確保するには,顧客管理や会計などbusiness-processのアウトソーシング・サービス提供が必要になっている。Atos Origin社(仏)は,英,蘭での展開強化のために14億8000万ドルでSchlumbergerSema社(独)を買収し,IBM社が長期アウトソーシング契約の一環として,デンマークの物流企業Maersk社のIT部門を買い取るなど,M&Aが活発化している。
ドイツのITサービス産業が再び穏やかな成長を開始
524-229056 Handelsblatt 2005-5-3 p.14図写
 ドイツのITサービス産業は,危機的状況が4年間続いた後,2005年には再び穏やかな成長が予想される。業界団体のBitkomは,2005年のIT支出は前年比4.4%増の279億ユーロに達すると見ている。アウトソーシングの拡大のほか,企業のITプロジェクトが増加したためである。特に銀行や通信業では急激にIT投資が増大している。ITコンサルティングの利用も急増した。また最近業界で大量解雇が発生しているが,これは低賃金国への作業移転でコストの適正化を図ったためと考えられる。
韓国製製品はPDP,LCD,OLEDなど60品目以上で世界のトップクラス
524-229057 *毎日経済新聞 2005-4-19 p.A1,A3図
 毎日経済新聞によれば,2001〜04年の間に,PDP,LCD,OLED,フラッシュメモリ,MCP,フラッシュメモリ型MP3プレーヤ,ホームシアター,DVDプレーヤ,一般用掃除機,ABSの11品目で韓国は世界一となった。DRAM,SRAM, ブラウン管型TV,CDMA携帯電話,VCR,光ストレージ,エアコン,カラーモニタ,タイヤ・コードなど20品目では,2000年以降継続してトップだった。鉄鋼,繊維,機械産業や中小企業品目まで含めると,世界トップクラスの工業品目は60品以上で,韓国製は安物というイメージは急速に払拭され,韓国製工業製品は世界をリードしているという評価が世界中に広まっている。
インドのITサービス産業,株価軟調は山を越えたが事業の不確定性は増している
524-229058 Fin.Times 2005-4-25 p.21図
 インドのIT企業の株価は,Tata Consultancy Services(TCS),Infosys Technologies両社の期待外れの業績発表で急落したが,Wipro社の好業績発表で需要は依然根強いと判断され,2週間後には再上昇に転じた。だが業界は,賃金の急上昇,成長鈍化,米国の会計規則強化に伴う新規契約保留,セキュリティ重視などの問題を抱え,特に米国事業で不確定性が増している。各社は値上げや生産性向上,インドでの事業比率拡大などの手を打つ一方,生き残りのためには高付加価値化が必須と見て,特にコンサルティング業務の強化を図っている。
インドIT産業の中核都市バンガロールがはらむブームと成長の矛盾(特別記事)
524-229059 *Economist 2005-4-23 p.65〜67図写
 インドのソフト輸出の1/3を担うバンガロール(カルナタカ州)のインフラは,急速な拡大で軋みを生じている。外国企業は週に3社の割で同市に進出し,1日900台のペースで車輌が増え,交通渋滞は激化している。ハイテク産業にとって不幸なことは,政府がカルナタカ州に輸入される財貨に13.5%の入州税を課し,コンピュータを使う産業に大きな負担を課したことである。情報通信やコールセンターの活況をベースに,同国のIT関連サービス産業は2008年に400万人を雇用し,GDPの7%を占めるものと予測される。その質とコストが急成長に追いつけるかは,政府がどこまで支援できるかにかかっている。
インドに倣いアウトソーシング・ビジネスの拡大を図るパキスタン
524-229060 *Bsns.Wk. 2005-5-9 p.20〜21図写
 ラホール,カラチを拠点とするパキスタンのアウトソーシング産業はまだ緒についたばかりで,ITサービスの事業規模は3億ドル,輸出はその11%に過ぎない(インドの輸出額は128億ドル)。しかし今後年率45%の成長が予測されており,コールセンターなどの低レベル業務はさらに高い成長が見込まれる。賃金はインドと同水準で,1700万人が英語を話せる。ただしセキュリティに難があり,ITスタッフも質,量ともに不足している。顧客として米国以外の外国企業や国内の国有企業を探している企業もあるが,95%を米国向けに輸出しているソフトウェアのTechlogix Pakistan社のような企業が多い。
事業環境の変化への対応力の差で米国ハイテク企業の第1四半期業績はまだら模様
524-229061 *Bsns.Wk. 2005-5-2 p.34〜37表写
 インテル,TI,EMCは好調,IBM,サン,Siebel Systemsは低迷など,ハイテク企業の第1四半期業績はまだら模様の様相だが,明暗を分けているのは事業環境変化への対応力の差だ。企業のIT投資が控えられていることで,IBM社は欧州サービス事業で打撃を受けたが,インテル社は,モバイル機器用チップの好調で25%の増益を果たした。サン社は,販売量は増えたが,販売単価が下落して,売上げは低下した。EMC社は高級機の落込みを小型ストレージ・サーバの成功でカバーした。ソフトでは,Salesforce.com社がオンライン・サービスによる低廉化で,Siebel社に一歩先行した。
マーケティングの弱点克服に努力するフィリップス社系のデザイン会社
524-229062 *Fin.Times 2005-4-29 p.8写
 かつては新商品の先駆者であったフィリップス社だが,70年代以降はマーケティング面での失敗が続いて倒産寸前にまで追い込まれた。独立部門のPhilips Design社は,親会社にデザイン・サービスを提供する一方で,弱点を矯正することにも力を入れている。人類学者,認知心理学者を採用して人間の欲求に関する洞察を深めたり,短期的な社会・文化的トレンドを調査し,結果を親会社の製品市場化に役立てている。その成果である同社のAmbilightは,テレビ画面の光度を自動調整し,快適な視聴を提供する新仕様である。
2005年第2四半期以降の業況を楽観視する三星電子(韓)
524-229063 Fin.Times 2005-4-18 p.20写
 三星電子は2005年第1四半期の純益が52%減であったと発表してアナリストに衝撃を与えたが,今後の見通しについては楽観視している。LCD TV市場が価格低下によって年内に爆発的に発展するとの見通しが楽観の最大の根拠である。すでに第1四半期末には,液晶ディスプレイ市場に好転の兆しが見られた。携帯電話機販売も下半期に改善が見込まれており,CDMA機種と北米での新モデルの投入で支えていく模様。DRAMの需要も第2四半期に回復を始め,下半期に大きく伸びると見込んでいる。
LG化学がデジタル製品向け電池,LCD部品を戦略品目として生産とR&D強化(韓)
524-229064 *Bsns.Wk. 2005-5-16 p.28図写
 LG化学の2004年の売上げは,中国向け輸出増も寄与し,29%増の87億ドルとなった。同社はモバイル機器向けリチウムイオン電池,LCD用偏光フィルムなど,デジタル製品向けの品目を強化しており,長期的には全社売上げに占める比率を現状の15%から35%にまで引上げる計画。リチウムイオン電池は,現在三洋電機が30%近い世界シェアでトップで,LG化学はソニー,松下電器にも及ばないが,2010年までには10億ドルを投じて新工場を建設し,今後5年間に20億ドルのR&D投資を行う。LCD部品は,LCD TVで世界トップクラス,携帯電話機で世界5位のLG電子との連携が強みである。
日本のNHテクノグラスや韓国企業が韓国首都圏の工場新増設抑制で立ち往生
524-229065 毎日経済新聞 2005-5-11 p.A1,A3表
 NHテクノグラスは,2005年5月中に京畿道平澤市玄谷団地に設備投資を行う計画であったが,首都圏内の工場新増設抑制策によって投資が実行できない。工場投資の規制の影響は,日本電気硝子や韓国のLGグループ系列各社にも及び,LG電子(LCD TV,坡州),LG化学(LCD偏向板,坡州),LGイノテック(パワー・モジュール,坡州),LGマイクロン(LCD部品,坡州)なども投資は難しい状況だ。これら企業は2005年末のLGフィリップスのLCD生産開始を前提に工場進出を決めたが,規制によって4兆ウオン相当の投資が宙に浮いている。