<航空機> |
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フランス航空機産業の下請中小企業,利益なき繁忙で苦境に |
529-230823 |
Usine Nouv. |
2005-9-22 |
p.40写 |
航空機業界の下請中小企業120社を対象に行われた調査で,中小企業が充分な収益に達していない厳しい状況が明らかになった。大手発注主は現在,多くの航空機計画や開発プロジェクトを抱え,必要な技術や部品を下請けに要求し,さらにコスト削減の圧力をかけてくる。関連下請企業は,受注は埋まっているにもかかわらず,利益が上らないパラドックスに陥っている。そのため中小企業の開発費は圧迫され,2000〜2004年で4〜5.3%減,2006年予算はさらに4.5%減ると予想されている。大手メーカーと下請中小企業の収益格差はさらに広がる傾向にある。 |
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航空機産業の新計画目白押しでフランスの技術系下請企業が活況 |
529-230824 |
*Usine Nouv. |
2005-9-29 |
p.44〜46図写 |
世界のの航空機業界は,A380,A400M,A350,Falcom7Xや米国のB787,ブラジルのEmbraer170/190計画など,新しい計画が目白押しである。多くの多様なプロジェクトを抱える大手メーカーは,もはや自社の開発技術では対応しきれず,またコスト削減の必要性から,外注化するようになるだろう。ボーイング社は,新計画の下請にフランス企業を予定していないが,新計画はこの業界を活気づけるには充分である。航空機業界のハイテク企業は活況を呈し,各社とも雇用を拡大,売上げを伸ばしている。技術系中小企業は下請けの立場を脱却し,今後は大手メーカーのパートナーとして発展していくだろう。 |
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商用航空機の製造に公的な支援を求めるフランスの航空機業界 |
529-230825 |
*Avtn.Wk. |
2005-10-17 |
p.26〜27写 |
EUと米国の資金援助を巡る論争が過熱しているが,フランスの航空業界の代表は,エンジンや機載システム,低級の下請けなどへの政府支援を確保しようと試みている。エアバスとボーイング社は,互いに補助金を巡り攻撃しあっているが,部品調達先が政府の融資を受け続けるのは両社にとって利益になるだろうとフランス航空宇宙工業会(Gifas)の会長を務めるDassault Aviation社CEOのCharles Edelstenne氏は語る。実際にGifasは低級のサプライヤーを含めることにより,補助金の範囲拡大を狙っている。また,Gifasは過去2年で40%も落ちた民間R&Dを補う政府支援を要請している。 |
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アジア太平洋地域での大型受注でエアバス社を巻き返すボーイング社 |
529-230826 |
*Bsns.Wk. |
2005-11-7 |
p.32〜33表写 |
アジア太平洋地域の大手航空会社3社は,年末までに100機以上の広胴型ジェット機を発注する予定で,その大半をボーイング社が受注する見込みである。受注の半分は新型の787ドリームライナーになる予定だが,うれしい誤算は,燃料高騰のため,効率の良い777広胴型が予想外に健闘していることである。エアバス社の強力な販売力を考えるとまだ油断はできないが,これにより世界市場トップの座を奪回できると期待している。ボーイング社は,今年初めのストで一時的に業績が悪化したが,アジア太平洋地域だけで980億ドルもの受注残を抱えており,今後数年好業績が期待できる。エアバス社のジャンボ機路線よりも,中型機が有望と見たボーイング社の戦略が今のところ優勢か。 |
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受注好調で商用航空機の生産拡大を計画するボーイング社 |
529-230827 |
*Fin.Times |
2005-10-27 |
p.17写 |
89年以降では受注が最高になると見られる今年,ボーイング,エアバス両社とも増産を目指しているが,両社とも新モデルの発売,外部企業への依存度の上昇という2つの困難を抱えている。ボーイング社の受注額は1000億ドル近くに達しており,97年に発生した製造ミスと生産の遅れを避けることが課題となる。2006年の引渡し機数は,今年の290機を大きく上回る395機となる見通し。また米国の航空会社が発注を始めていることから,2007年の生産機数はさらに増加すると予想される。 |
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新型リジョナル・ジェット発売を狙うBombardier社(加)を襲う航空業界の不況 |
529-230828 |
*Avtn.Wk. |
2005-10-17 |
p.28写 |
相次ぐ米国航空会社の破産により,Bombardier社の新型リジョナル・ジェット“Cシリーズ”の受注が難しくなっているが,同社は今秋のプログラム開始予定を変えていない。30億ドルの航空機・エンジンのプロジェクトは財政的にリスクが大きく,ボーイングやエアバス社と競合する恐れがあるとして批判が絶えないが,同社はエンジン・メーカーのPratt & Whitney Canada社や潜在顧客との対話を続けている。立ち上げには最低航空会社2社から50〜100機の受注が必要になると同社は語る。同社は今後20年に3000機の市場があると睨み,2010年後半の納入を目指している。 |
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次の航空機開発競争は200〜300人乗りのエアバス350とボーイング787 |
529-230829 |
Handelsblatt |
2005-10-7 |
p.14写 |
欧米の旅客機開発競争は,超大型のエアバス A380クラスから200〜300人乗りの長距離機に焦点が移っている。このクラスでエアバス社のA350は開発を正式に開始したばかりで,完成は早くて2010年と見られるのに対して,ボーイング社のB787は2008年に市場化できるという。しかも炭素繊維による胴体の軽量化と客室の居住性向上が図られるため,受注は2005年1〜9月でシェア60%を占め,既に263機の確定受注を得た。一方エアバス社は,複合材の使用で燃料効率を向上させたA350の売込みに懸命だが,現在の仮予約は140機。 |
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エアバス社は多数機種同時開発のため開発能力が限界 |
529-230830 |
Handelsblatt |
2005-10-6 |
p.15 |
欧州の航空機メーカー,エアバス社は,4種類の航空機を同時開発しており,2階建の超大型旅客機A380を2006年,同型の貨物機A380Fを2008年,軍用輸送機A400Mを2009年,乗客200〜300人乗りの長距離中型旅客機A350を2010年に完成するよう開発を進めているが,A380の引渡しが計画より6カ月遅れるなど,開発に遅れが目立っている。多数機種同時の開発のため,能力の限界に達しており,さらに1200人もの経験ある開発技術者が必要とされる。 |
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欧州EADS社がエアバスA350開発への政府助成を諦め,米国と和解を模索 |
529-230831 |
Handelsblatt |
*2005-10-7,2005-10-10 |
1写,8写 |
欧州の航空機メーカーEADS社は,双発ジェット旅客機A350の開発を正式に発表したが,従来航空機メーカーは,開発費の3分の1を国から特定返済条件付の助成を受けるのが一般的で,A350の開発にも各国政府は初期融資を認めていた。EADS社は,ボーイング社との間の政府助成金に対する相互非難を鎮静化させるため,A350開発への政府助成を諦めることとし,一方でボーイング社にも同様の譲歩を求めた。しかし米国側は,EADS社の米国の軍関連事業への参加が背景にあるとして,直ちにはこれに同意しなかった。 |
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エアバス社が対米交渉を勘案してA350開発の政府援助の利用を保留 |
529-230832 |
Wall Str.J. |
2005-10-7 |
p.A13,A14 |
エアバス社は,長距離中型のA350新型機の開発・建造に対する政府援助の利用を1年以上遅らせることに決めた。これは米国との補助金を巡る貿易紛争を解決するための時間稼ぎであるという。EUと米国は,WTOでの議論の初期段階にあるが,これが訴訟に至れば,何年も続いて,両者とも補助金を減額せざるを得なくなるとの危惧から,EUは交渉による解決に持ち込もうと考えている。しかし米国通商代表部(USTR)はこの動きに対して懐疑的で,政府はWTOでの訴訟を進める模様。欧州側の開発融資は,開発機の採算が取れなければ返済の必要がないため,そこを米国に非難されている。 |
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政府援助凍結のまま新中型ジェットA350開発を進めるエアバス社 |
529-230833 |
*Avtn.Wk. |
2005-10-10 |
p.22〜23表写 |
エアバス社のA350の就航予定は2010年だが,課題はいくつか残されている。その中には現在凍結されている政府の財政支援問題や,製造機数拡大への対応などがある。A350の市場参入は予定よりも遅れているが,受注にはほとんど影響が出ていない。親会社EADS社は,年内に受注が200機を超えると考えている。A350はボーイング社の777市場も意識しているが,主に競合するのは787である。機体はA330と同タイプだが,オンボード・エアポート・ナビゲーション・システムなど,コクピットはA380の特徴を持つという。 |
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エアバス社,A350開発着手正式決定でボーイング社と新たな戦争に突入 |
529-230834 |
Fin.Times |
2005-10-8/9 |
p.8写 |
エアバス社は,43億5000万ユーロのA350開発着手を正式決定した。200〜300席中型長距離双発機市場で,当初はボーイング787 Dreamlinerの競合機として現行330広胴機の派生型で充分と見ていた同社だが,787の受注好調(現在23社から確定174機含み273機受注)を見て,新型機開発を決めたもので,この数年エアバス社が優位にあった両社の戦いは,新たな段階に入った。787とA350(現在4社から140機受注)では,前者が優位にあり,また787開発で得た複合材等の新素材や製造技術が他の新型機開発を支える。特に737型の代替機開発はA320ファミリーとの戦いが今後の10年を決する重要なものだ。 |
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翼のデザインに集中するエアバス社の新中型機A350の開発 |
529-230835 |
*Avtn.Wk. |
2005-10-17 |
p.24〜25写 |
エアバス社は,A350の部品調達先との契約を100%ドル建てで行い,サプライチェーン・マネジメントの重要な要素を進歩させるためにA350を利用したい考え。共同CEOのGustav Humbert氏によれば,今後20年のA350タイプ機の市場は3300機ほどで,そのうち少なくも半分の発注が欧州からだと見られている。これまでのところ,エアバス社の受注は143機で,年末までには200機を目標としている。一方ライバルのボーイングの787型機は,現在174機の受注を確保している。エアバス社ではデザインチームが新しい複合翼にかかり切りになっているが,早く問題を解決して,工作機械を発注したい考え。 |
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エアバスA380機に後方乱気流による不安定が生じる懸念 |
529-230836 |
*Wall Str.J. |
2005-10-5 |
p.B4図 |
その立ち上げから貿易論争を巻き起こしてきたエアバス社のA380スーパージャンボだが,今度はエンジンの後方乱気流を巡り,米欧間で安全性論争が巻き起こっている。今回議論が持ち上がっているのは,他の航空機が発着時に同機とどれくらい離れればいいかで,国際的な基準設定を巡り,米欧航空担当官の間で不一致が生じている。問題自体は完全に安全性に関するものだが,論争が加熱して通商問題に飛び火する恐れがある。A380は,現在の最重モデルであるボーイング747よりも1/3ほど重いため,発着の間隔を開かなければならない可能性があり,そうなると経済性の魅力が薄れることになる。 |
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フランス人以外で初のエアバス社CEOに就任したHumbert氏の課題 |
529-230837 |
Economist |
2005-10-1 |
p.60写 |
6月にエアバス社CEOに就任したドイツ人エンジニアGustav Humbertは,初のフランス人以外のトップである。このためフランスでは複雑な感情があるようだが,同氏は特に意に介していない。親会社EADS社の共同CEOに転じた前任者Noel Forgeardは,ジャンボ機A380を軌道に乗せると共に,市場で初めてボーイング社を抜き,エアバス社を高収益の汎欧州企業のシンボル的存在に育てた。その輝かしい成功のあとを継ぐHumbertの課題は,同社をグローバル化の次の段階に進めることだろう。すでに中国との間で長距離中型機A350について,リスク・シェアリング型の合弁を交渉しており,ボーイング社の牙城日本にも同様の計画で攻勢をかける。 |
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インドの防衛市場で米露企業に追うフランスのThales社 |
529-230838 |
Avtn.Wk. |
2005-10-17 |
p.62 |
最近米国とロシアの企業がインドの軍需市場を支配しようと競争しているが,インド第3の貿易相手であるフランスも,技術移転や合弁を提供して,市場に食い込もうとしている。Thales International India社は,ソフト会社を立ち上げ,その後スピンオフを予定している他,現地のTata Consultancy Services社やLarsen & Toubro社との合弁事業を計画している。Thales社は他に,Indian AirlinesにエアバスA300用のシミュレータを供給しているほか,Macmet社と組んで,JaguarやChetak機のシミュレータを納品する契約を結んだ。またパキスタンでのレーダー需要も期待しているという。 |
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最初のAASM輸出が近づき,ロシア,アジアでの見通しも明るいSafran社(仏) |
529-230839 |
*Avtn.Wk. |
2005-10-17 |
p.38写 |
Safran社の上半期の業績は期待を裏切るものだったが,商用航空機エンジンの納入が増え,防衛部門でも活発な動きを見せたため,通年では業績目標に到達する見込み。同社は旧Snecma,Sagem社を合計して売上高を5%伸ばすと見られ,2005年全体で108億ユーロ前後の売上げを見込んでいる。またモジュラー構成の空対地精密誘導兵装AASMの最初の輸出先はモロッコとなると予想されており,長期的な成長市場としては中国とロシアが有望視されている。 |
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航空機エンジンのSnecma-Sagem社合併後の新たな見直し(仏) |
529-230840 |
*Usine Nouv. |
2005-10-20 |
p.18〜19写 |
航空機エンジンのSnecma社と通信電子機器のSagem社が合併し,新グループSafran社が誕生してから6カ月,新グループは再編成,再組織化をやめない。早急な改善を要する3点として,コスト削減と競争力改善(Aircelle a Meudon工場を閉鎖し,従業員630人を別工場に配置,Snecma Services,Hispano Suizaの専門化)。子会社を見直して,非中核事業の譲渡(Sagemのケーブル事業,Messier Bugattiの駆動装置事業など)。生産の国際化(ロシアにNPO Saturn社と共同でエンジン工場を開設,ヘリコプタ・エンジン事業で中国のChinois Avic社と提携)が行われる。 |
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ヘリコプタ・エンジンのTurbomeca社,大規模な社屋移転へ秒読み(仏) |
529-230841 |
*Usine Nouv. |
2005-10-6 |
p.12〜14図写 |
Safran社の子会社でヘリコプタ用エンジンのTurbomeca社は,世界市場の48%,民間だけでは56.4%のシェアを占め,世界トップに立つ。1942年にPyrenee-Atlantique県のBordesに設立された同社は,現建物のすぐ近くに新社屋を建設し,5万5000平米の敷地の回りを道路で囲み,流通を円滑に行いたい意向。今から2007年までに移転を始め,2009年第1四半期から新工場で操業を開始予定。同社の筆頭顧客Eurocopter社の納期改善要求に応え,新工場で最大効率化と生産サイクルの短縮を行う。同社は2004年に800基のエンジンを出荷,今年は1000基を越えて7億1500万ユーロを売上げる見通し。 |
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仏米合弁の航空機エンジン・メーカーCFM社のトップにBachelet氏 |
529-230842 |
Usine Nouv. |
2005-9-22 |
p.24写 |
Snecma社(現Safran)(仏),GE社の対等出資合弁会社で,航空機エンジンの世界的リーダーであるCFM International社のトップに,フランス人Eric Bachelet氏が就任した。同氏は74年にSnecma社に入社して,91年まで様々な機器部門責任者を歴任したが,その際にCFM社の主力のCFM56エンジンの構想に参加した。その後もう1つのSnecma/GE合弁企業Famat社の副社長に就任し,仏米協働体制をすでに経験するなど,新社長にふさわしい経歴である。同氏は親会社2社と緊密な関係を保ち,協働体制を維持しながら,CFM56の出荷を2005年に13%,2006年20%増やし,生産性の向上を目指す。 |