<電子部品・半導体>
半導体チップの売上げ好調は下半期も続くとの見通しも
527-230024 Fin.Times 2005-8-2 p.17写
 2005年上半期に世界の半導体の売上げは前年動機比6.5%上昇して1090億ドルに達した。コンピュータ,携帯電話,自動車用製品,有線通信など,半導体を使用する製品の市場が予想以上の伸びを示したと,SIA(米国半導体工業会)はいう。Banc of Americaの半導体アナリストSumit Dhanda氏によると,チップの平均販売価格は5月の206%に続き6月も1.7%下落しているという。しかし同氏によれば,第3四半期の受注も好調が続くということである。
半導体メーカーの生き残りにとって欠かせない多品種製造
527-230025 *Wall Str.J. 2005-8-4 p.B4図写
 世界の大手DRAMメーカーの第2四半期の業績を見ると,現在のメモリ製造業界の熾烈な競争を生き延びるには,製品ポートフォリオの多様化がますます重要になってきているとわかる。4〜6月期にDRAMの価格は下落したが,NANDフラッシュなど,他のメモリに多様化していた企業が勝ち組として浮上している。この四半期で黒字を計上したトップ5企業は,韓国の三星電子とHynix Semicondutorだけで,DRAM専業の3社は赤字に転落した。iSuppli社によれば,NANDの市場は2005年に33%,06年に34%成長するのに対して,DRAM市場は今年0.3%の成長に留まり,06年は4.9%縮小するという。
専門的チップへの集中で業績を伸ばす中小ファウンドリー
527-230026 *Elec.Bsns. 2005-8 p.22表
 半導体委託製造業界は,台湾の2大メーカーが合計70%のシェアを有し,その他にシェアが7%を超える企業はない。だが小規模メーカーが栄えていないわけではない。例えばドイツのX-Fab Semiconductor社の売上げは,2004年に1億7700万ドルへと36%増加した。同社を始めとする中小企業は,競争が激しい業界標準のCMOSといった主流市場を避け,アナログや混合信号のチップに的を絞っている。また2極CMOSなどの特殊チップを扱う例もある。専門ファウンドリーには,他にJazz Semiconducor,ASMC,Tower Semiconductor,Epil Technologies,1st Silicon,PolarFabなどがある。
携帯電話ネットにフレキシビリティを与えるチップ製造にしのぎを削る新興企業
527-230027 Wall Str.J. 2005-7-25 p.B3表
 携帯電話ユーザーが,最適のサービスを求めて通信ネットワーク間を行き来できるようなチップの開発を目指して,英米の新興企業がしのぎを削っている。米国のSandbridge Technologies社は,多種類の通信技術を使って通信可能なカメレオン・チップのデザインを完成させた。この技術を搭載した電話機の登場は2006年の予定。英国のPicoChip Designs社は,プログラマブル・チップの量産体制に入ったと発表しており,同国のIcera社も某携帯電話メーカーが同社のチップに興味を示しているとしている。米国の3Plus1 Technologies社も,同様の技術を2006年初めに発表すると見られる。
3次元対応製品の登場で電子製品への応用が期待されるMEMS加速度計
527-230028 *Elec.Bsns. 2005-8 p.7,18図
 自動車のエアバッグ・システムに使われるMEMS加速度計は,コストと機能制約のために電子製品への応用が広まっていなかった。だが今後1年間に,複雑な3次元的動きを感知する新製品が発売されると見られ,状況は変わっていくであろう。3次元MEMSのビジネス機会として,落下の衝撃によるデータ破損からハードディスクを保護することが挙げられる。ハードディスクはラップトップだけでなくAV機器にも搭載されるようになっており,機会は広がりつつある。現状で具体的な数字を予想するのは困難だが,MEMS加速時計が消費者用電子製品市場で大きくブレイクする準備は整ったと言えよう。
2005年後半は欧州の半導体産業はわずかに上昇の兆し
527-230029 Handelsblatt 2005-7-28 p.14写
 欧州の半導体産業は,2005年下半期にはらずかに成長すると見込まれ,欧州第2のメーカーST Microelectronics社(STM:仏伊合弁)は,2005年第3四半期には前期比6%増の売上げを予想している。半導体産業にとってはわずかな回復でも重要で,他の半導体メーカーも楽観的な見方を示し始めた。しかしメモリチップでは前年比9%もの大幅な価格下落が収益性を悪化させており,業績不振からUnited Microelectronics社(台)では工場稼働率が65%にも下っている。
韓国の電子企業,LCDに続く収益源として能動型OLED製品に注力
527-230030 *毎日経済新聞 2005-8-2 p.A13図写
 韓国電子企業は,有機発光ダイオード(OLED)をPDPやLCDに続く戦略的商品に位置づけ,市販中の受動型(PM)OLEDより優秀な能動型(AM)OLEDを本格的に開発する。先発企業は三星SDIで,世界初の能動型OLEDの量産計画を発表し,2006年から9000億ウオンを投資して,兄弟会社の三星電子との激突も辞さない構え。能動型OLEDは,LG電子とLGフィリップスLCDでも開発中で,LG電子は大型製品,LGフィリップスLCDが小型製品を担当する方針が出たが確定していない。業界調査機関OLEDnetは,LGフィリップスLCDと三星SDIは2006年の上半期から携帯電話用2.2インチ級のOLEDを生産すると見ている。
アップル社のプロセッサ乗り換えは業界に大きな影響を及ぼさない
527-230031 *Elec.Bsns. 2005-8 p.21写
 Macintoshラインのプロセッサをインテル社の製品に切替えるとするアップル社の発表を受けて,電子業界への大きな影響を予測する報道も見られる。だが実際には騒がれているほどの影響は出ないと考えられる。例えばアップル社にPowerPCチップを提供しているFreescale社とIBM社System and Technology部門は,それぞれ2億5000万ドル,1億5000万ドルの収入を失うことになるが,双方の総収入(2004年にそれぞれ57億ドル,179億ドル)から見れば大きな問題ではない。業界オブザーバーによれば,IBM,Freescale両社にとって,アップル社との取引を続けた方が問題が多いという。
ハリウッドの映画制作用チップでも競合するインテル,AMD両社(米)
527-230032 *Bsns.Wk. 2005-9-5 p.78〜79表写
 CGやアニメ,特殊効果やオンライン配信などで,ハリウッドでは今やコンピュータが必需品となっているが,そのチップを巡って,先行するインテル社にライバルAMD社が挑戦している。インテル社は,ソニー系のImageworks,Walt Disney社などを多数のスタジオを抱え,潤沢な資金を投じて,WiMaxによるデジタル・ダウンロード市場などに注力しているが,一方AMD社は,まだDreamWorksなど一握りの顧客を持つに過ぎない。このためAMD社は,64ビットOpteronで制作時間の短縮,ひいては資金節約をアピールすると共に,マイクロソフト社と組んでダウンロード市場にも参入する。また両社とも,映画の知的所有権保護に力を入れている。
韓国公取委員会,インテル社を「市場支配力濫用の疑い」で調査
527-230033 毎日経済新聞 2005-8-10 p.A13表
 韓国公正取引委員会は,世界最大のCPUメーカー,インテル社が,韓国のコンピュータ・メーカーに対して過度の市場支配力を行使したとして調査を行う。調査では,韓国のパソコン・メーカー5社に対する違法な市場支配力の問題とし,インテル本社に8月までに関連資料の提出を要求して,その前に予備調査を行うと通告した。今回の調査は,日本の公正取引委員会がインテル社に対して是正措置を執ったことなどが関係しており,EUや米国も同社に対して公正取引問題などで調査中であるため,パソコン製造有力国韓国の政府も韓国企業に対する過剰支配問題を調査することになったもの。
Infineon社が依然として赤字体質を脱却できず(独)
527-230034 Handelsblatt 2005-7-27 p.9写
 ドイツの半導体メーカーInfineon社は,依然として不振から抜け出せずにいる。最近の四半期には赤字が著増し,今後もその傾向は続きそうな気配。特に携帯端末用特殊半導体やICカード部門の不振が問題である。同社は,長い不振の後,2004年には唯一良好な業績を残したが,半導体価格の下落に生産性の向上が追いつかず,問題が多い。またメモリ部門長がスイス企業から30万ユーロ以上を不正取得した件など,管理体制にも問題が生じている。
発光ダイオードの合弁企業Lumileds社(米)の完全買収を目指すフィリップス社
527-230035 *Fin.Times 2005-8 p.15写
 フィリップス社は,99年にAgilent社(米)と設立した合弁企業Lumileds社の買戻しを目指している。Agilent社が所有する47%の株式を7億6500万ユーロで購入し,年内に株式の96.5%を取得する予定。残りの3.5%は従業員信託企業が所有することになるだろう。Lumileds社が生産している高明度LEDは,短期的に年率25%の市場成長が見込まれている。利幅が大きい発光ダイオード部門を拡大して,半導体など周期性の強い部門への依存を抑えることがフィリップス社の狙いである。携帯電話や店頭ディスプレイ,信号機などに使われている発光ダイオードは,発光電子部品の未来であると見られている。
DRAMで韓国企業が独走状態,三星電子に続きハイニックスも黒字転換
527-230036 毎日経済新聞 2005-7-28 p.A13図写
 ハイニックスは,第2四半期の営業利益が21%台の見込みで,三星電子も26%の見込みと,第1四半期までの赤字基調が黒字基調に変わった。ライバルのマイクロン(米),Infineon(独),エルピーダ(日)などは依然として営業損失を計上しており,韓国企業は「DRAM市場は勝負がついた」と豪語している。韓国勢の経営好転は,パソコン・ブームを背景にした価格反転に加えて,景気好転を想定した果敢な投資拡大策が効果を発揮し,コスト削減が実現したことによる。韓国製DRAMは,今後も価格主導権を維持する見通しで,韓国勢の独走体制が続くことになろう。
LGフィリップスLCD(韓),日本電気硝子とLCDガラス基板工場を建設
527-230037 毎日経済新聞 2005-8-3 p.A16
 LGフィリップスLCDは,世界第3位のLCDガラス・メーカー日本電気硝子とガラス基板関連の合弁会社を建設する。場所は京畿道坡州工業団地の一角で,この合弁工場ではLCDガラス基板の後工程を担当し,日本で生産されたガラス基板を持ち込んで原板切断と洗浄を行った後に,最終ガラス製品を完成する。