＜その他電子機器＞
海賊ソフト対策が急務となるEDA業界
527-230010	＊Elec.Bsns.	2005-8	p.25表
海賊ソフトの多くはマイクロソフト社などのソフトのコピーだが，電子設計自動化(EDA)業界も被害からは逃れられない。半導体需要の回復にもかかわらず売上げが伸び悩んだのも，海賊版の使用が増加した結果である可能性もある。EDAソフトの海賊版が増加している要因として，半導体業界のグローバル化によって，米国外での設計作業が増加したこと，業界が挙ってEDAソフトのインストールの手間と使い勝手を改善しようとしていることの2つのトレンドが挙げられる。海賊版の影響は大きく，仮にEDAベンダーが2004年に全ての海賊行為を防げたとするならば，収入は4億6600ドル増加したと見られる。
ビデオゲームの流行と高度化で若者に対する影響が論議の的に(特別記事)
527-230011	＊Economist	2005-8-6	p.9，61～63図写
ビデオゲームのフアンの増加と，マイクロソフト，ソニー，任天堂の3強が今年発売する次世代ゲーム機の性能向上に伴い，ゲームの影響を巡る論争が激化している。批判派は，人気ゲーム“Grand Theft Auto”の暴力シーンや“隠れ”セックス・シーンの青少年に及ぼす悪影響や，ゲーム時間の長時間化(米国では少年で平均週13時間，少女は5時間)などを問題とする。一方擁護派は，ゲームは有用な教育ツールであり，悪影響も軽微だと主張する。事実ゲームの影響に関する長期継続的な研究データもないし，ゲーム制作最大手Electronic Arts社(米)によれば，経験もないのに批判する人が多いという。ゲーマーの高齢化(現在すでに平均30歳)に伴い，ゲームも新しいメディアとして落ち着くとの見方もある。
映画館収入の伸び悩むハリウッドの頼みの綱DVDの販売が鈍化
527-230012	Economist	2005-8-27	p.52～53写
ハリウッドの新たな収入源として急速に伸びていたDVDの販売に陰りが見える。DEG(映画スタジオと消費者用電子メーカーのグループ)によると，今年第1四半期DVD国内販売は，前年同期比1/5増の約4億枚のDVDで，一見好調だが，2004年の50％増，2003年以前の100％増に比べると明らかに鈍化している。返品の増加やスタジオ側のDVD値下げで，金額ではさらに悪く，今年9％増，2006年は5％増に留まろう。市場は成熟化しており，プレーヤの普及率は70％に達しているが，DVD需要は一巡し，大きな伸びは期待できない。家庭向けDVD販売が全収入の20％を占めるDisney社をはじめとする映画スタジオには痛い予想であるが，DVD市場の伸び率は早晩1ケタ台に落ち着くだろうと思われる。
HD-DVD規格製品の立ち上げキャンペーンがトーンダウン
527-230013	Wall Str.J.	2005-8-10	p.D4
東芝等が支持する次世代DVD規格HD-DVDは，ソニー等が後援するBlu-ray規格に差をつけるため，今年第4四半期での大々的な立ち上げを狙っていたが，HD-DVDのハード／ソフトの登場は，予想していたよりもささやかなものになりそうで，HD-DVDの先行者利益も霞んでしまう可能性もある。Viacom社(米)傘下のParamount Pictures社は，20タイトル以上の第4四半期発売を表明していたが，同四半期での発売を取りやめた。クリスマス・シーズンの3カ月前に近くなった現在でも，宣伝計画は明らかになっていない。
肝心の家庭医の消極的姿勢が問題となる英国の大規模な医療IT計画
527-230014	＊Economist	2005-7-23	p.52～53
英国の国民保健サービス(NHS)が，2002年から10年計画で開始した大規模なIT導入計画“Connecting for Health”は，総予算900億ポンドを費やし，3万1500人の家庭医と300以上の病院をネットワークで結び，X線写真などをデータベース化し，予約や処方箋も自動化され，140万人のNHS職員の業務を一変させるという野心的な計画である。しかしコスト超過や5つの地域コンソーシアムの対立などに加えて，中核となる家庭医が新システムを使わないことや，全く知らないことが最大の問題となっている。彼らはまた，カルテ書式を統一する面倒な作業を嫌い，患者の個人情報漏洩に懸念を抱いている。彼らの参加が得られず，計画が所期の成果が上げられない場合，政治問題化する可能性もある。
TV視聴に続き運転中のDVD視聴を禁止する州が増加(米)
527-230015	Wall Str.J.	2005-8-11	p.D3写
米国では，多くの州が採用していた運転中のテレビ視聴禁止の法律を，DVDまで拡張しようという動きが見られ，今まで運転中の視聴に関する法律がなかった州でも，そうした法律を追加しようとしている。全米家電協会の調べによると，2005年に車内にモバイル・ビデオ・ユニットを取付けている世帯は981万世帯に上り，前年の545万世帯から急速に伸びている。メーカー側は同ユニットはパーキング・ブレーキがかかっている間しか作動しないとしているが，旧式のものは特に簡単にその機能を無効にできるという。米国では，交通死亡事故の25％が不注意が原因であるとされている。
オンライン・ビデオゲーム内の広告が動画も可能に(米)
527-230016	Wall Str.J.	2005-7-25	p.B6図
Massive社は2004年に，ネット接続コンピュータでプレーされるゲームに静止広告画像を挿入する技術を開発して，ビデオゲーム広告業界に旋風を巻き起こしたが，今度は音声付き動画広告をゲーム内に挿入する技術を広告主に提供することになった。この技術は製造時に挿入されるだけだったビデオゲーム広告にとっては革新的な一歩となる。現在ビデオゲーム搭載広告に費やされる資金は年間1000万ドルと，テレビ広告の100億ドルに比べ雀の涙だが，2008年には9200万ドルに達すると見られている。動画広告の最大の難点はゲーマーが視聴を避けるのが簡単なことである。
中国ゲーム市場で韓国企業が大きく衰退，現地企業が急発展
527-230017	毎日経済新聞	2005-7-26	p.A15図
7月21日から3日間上海で中国最大のゲーム見本市China Joyが開かれたが，2005年は中国企業の大躍進とともに，韓国企業の後退が鮮明になった。中国のゲーム市場は韓国企業が大きく関与して発展し，2004年のChina Joyでは50％の参加作品が韓国業者のものなど韓国勢の存在感は著しかった。しかし中国政府はゲーム産業育成と振興策を打ち出して，未登録などの不法業者締付け等を行ったため，今年の韓国業者の割合は20％台に落ち込んだ。韓国ゲーム企業は量的に減少しているだけでなく，質的にも追い上げられている。韓国勢は，従来のコンテンツ中心からサービスまで含めた一貫体制の展開が課題となっている。
マイクロソフト社はXbox 360を2つの価格帯で欧米で発売する計画
527-230018	Wall Str.J.	2005-8-18	p.B2
マイクロソフト社は，Xbox 360を299.99ドル，399.99ドルの2つの価格帯で発売する計画。双方共にゲームがプレイでき，オンライン・サービスの加入権が付属しているが，高価格モデルの方には20ギガバイトのハードディスク，ワイヤレス・コントローラ，高速ネット・アクセス用イーサネット・ポート，テレビ用リモコンが含まれている。マイクロソフト社は，初代Xboxの発表の際に値付けと費用の計算をミスしたため，ゲーム機で黒字を出したのは1四半期だけである。Xbox 360は，クリスマス休暇前に発売する計画で順調に推移しており，ソニーの次期プレステに対して先行者利益を享受したい構え。
L-3社の元社長が生体認証への投資企業L-1社を設立(米)
527-230019	＊Avtn.Wk.	2005-8-15	p.44～45写
軍事及び国土安全保障関連企業L-3 Communications社の共同創業者Robert LaPenta社長兼CFOは，同社を退職して新たにL-1 Investment Partners社を設立した。L-1社は，個人照合やセキュリティの分野で成長が期待されるバイオメトリクス(生体認証)市場を対象としている。2001年の米国同時テロを契機に注目されるようになった同市場だが，まだ巨大市場は形成していない。同氏は，L-3社の場合と同様に，市場リーダーとなることで急成長を目指す戦略を描いている。この記事はLaPenta氏への直接のインタビューをもとに構成されている。
ホログラムを広告に利用するデンマークのハイテク企業Vizoo社
527-230020	Business 2.0	2005-8	p.24写
Vizoo社は，気持ちが悪いほど実物そっくりなホログラムをデザインし，空中にビデオ広告を放映する技術をAdidas社(独)やHeineken(蘭)など大手15社に販売している。Vodafone社(英)は2004年9月に，リスボンのコンセプト・ストアで放映するビデオの制作を8万ドルで要請した。Vizoo社は今秋の米国進出を考慮しており，クライアント数社と話し合いを持っている。
間近に迫る監視社会：ユニバーサル・センサを最終目標に進む監視技術開発(特別記事)
527-230021	＊Bsns.Wk.	2005-8-8/15	p.74～81表写
英国は世界最多の監視カメラ設置数を誇るが，爆弾テロは防げなかった。監視技術強化はプライバシー侵害を意味するが，人々はそれを甘受する方向にある。既存の匂い探知機，指紋・虹彩認証，有害化学物質や生物兵器センサ等に加え，隠れた銃やナイフを発見できるミリ波カメラ，掌の静脈認証(三菱銀行がATMに導入)が市場化間近。この他，テロリストを群衆の中から虹彩で特定する遠隔追跡技術，体臭や耳の形，歩き方，唾液等で個人を特定する技術などが研究されており，科学者の最終目標は，全ての人を世界のどこでも特定・追跡でき，危険な物体に対して警報を鳴らすユニバーサル・センサだ。
Applied Materials社，光学検査装置市場でのシェア拡大に向け新製品投入(米)
527-230022	＊Elec.Bsns.	2005-8	p.28写
今回のSemicon West見本市で注目される事項の1つに，ウエハ欠陥検査装置でのApplied Materials，KLA-Tencor両社の競争が挙げられる。激しく競合する両社だが，光学検査技術の分野ではKLA社が大きくリードしている。市場規模は9億800万ドルで，同社が71％のシェアを有している。Applied社は6月に，最新の光学検査装置UVision 3Dを発表した。これは同社初のブライト・フィールド式検査システムで，競合分野を広げてシェア拡大を目指そうとするもの。
Agilent社がコア事業集中のため広範囲なリストラ計画を発表(米)
527-230023	Wall Str.J.	2005-8-16	p.B8表図
Agilent Techonologies社は，ハイテク測定・試験機器の製造へと再集中するため，半導体部門と照明企業の株式を売却すると発表した。売却額は36億ドル以上と見られる。また2006年には他に2部門をスピンオフし，40億ドルを株式買い戻しにあてる計画。その過程で，従業員2万8000人のうち9400人を削減する予定。CEOによれば，今回の措置は400億ドルの測定機器市場に集中し，株価を引上げることが狙い。半導体部門はKohlberg Kravis Roberts社とSilver Lake Partners社が26億6000万ドルで買い，Lumileds Lighting社の47％はフィリップス社が9億5000万ドルで買収した。