「地域産業イノベーションの実態分析と成功要因
 ― 機械産業等が地域経済の競争力強化に果たす役割」

T 報告書No.H16−1 平成17年3月発行 P.224

U 主要目次

 序章 調査研究の目的・方法・フレーム
 第1章 地域産業イノベーションの多様性と可能性
 第2章 地域産業イノベーションの実態に関する事例調査 −各地域の取り組みに関するヒアリング調査に基づいて−
 第3章 地域産業イノベーションの実態分析と成功要因への示唆 −教育・行政機関を対象にしたアンケート調査に基づいて−
 第4章 地域産業イノベーションの成功要因と機械産業等の役割
 資料編  

V 概要 

 本調査研究は平成16年度調査研究事業「わが国機械産業におけるイノベーション・システムの形成条件に関する調査研究」の一環として実施したものであり、今年度は地域産業イノベーションの実態把握とその課題抽出に主要な目的を設定している。

 現在、国内各地では、地域産業の活性化及び新産業創出に向けた多様なプログラムが展開中であるが、それらの各種プログラムは、各地域が有している「地域資源」(人材、設備、インフラ、資金、情報、企業の技術力、地域の歴史・風土・文化等々)と果たして上手くリンケージしたものなのか、といった問題を含んでいることから、本調査研究では、地域産業の担い手である企業にとっての外部資源である教育機関及行政機関の取り組みに焦点を当てた実態分析を実施している。

 一方、地域産業政策及び地域産業の活性化の理論的背景としては、産業集積論や中小企業政策論が存在しているが、加えて「クラスター論」といった新たな戦略論が登場してきており、国及び地方自治体の産業政策においても経済産業省の産業クラスターや文部科学省の知的クラスターが動き始めている。そこで、本調査研究では、実態調査と併行してこうした地域産業政策における集積論やクラスター論といった理論的側面についても検討を行っている。

 調査研究方法としては、第一に、全国の教育・業績機関1,834機関を対象にしたアンケート調査に基づく統計的分析の実施、第二に、全国8地域における地域産業イノベーションの実態に関する事例調査の実施、第三に、インターネット及び既存文献資料等から得られる国内地域産業イノベーションの状況に関する文献調査の実施、第四に、産業集積、産業イノベーション及びクラスター関連の海外研究動向に関する文献調査、以上である。このように本調査研究では量的調査及び質的調査に基づいて国内各地で展開されている地域産業イノベーションの実態把握と成功要因を提示している。


この事業は競輪の補助金を受けて実施しております。