「環境・リサイクル配慮型製品の市場拡大に係る生産者の課題調査研究」

T.報告書No. H14-4-1A
P.169
平成15年3月発行
財団法人 クリーン・ジャパン・センター

U.主要目次
1. 調査研究の枠組み
2. サプライチェーンにおける環境配慮の現状と課題
(1)OA機器業界における取り組みの現状 (2)家電業界における取り組みの現状
(3)日用品業界における取り組みの現状 (4) 自動車業界における取り組みの現状
(5)学物質管理の取り組み拡大に向けた課題と対応策
3. 市場拡大に向けたサプライチェーンのあり方
(1)サプライチェーンにおける環境配慮の取り組みのまとめ
(2)EMSによるサプライチェーンの強化と拡大
(3)再生材利用を促進する製品ライフサイクルマネージメント
4. 市場拡大に向けたコミュニケーションのあり方
(1)日本における消費者の姿と役割 (2)ステークホルダーの位置付け (3)マスコミの役割
(4)製品の環境情報の伝達 (5)企業における環境配慮の伝達
5. 日本における環境・リサイクル配慮型製品の普及と新市場創出をめぐる課題
(1)環境配慮製品普及ネットワーク・システム
(2)欠けた環 −消費者側からの環境配慮商品の評価機能−
(3)産業内あるいは産業間環境改善ネットワークの課題
(4)市場を通じた環境改善の方法  ―日本型システムのありかたをめぐって―
6. 参考資料
(1)既存資料調査
 ・OA機器メーカー  ・家電製品メーカー  ・日用品メーカー  ・自動車メーカー
(2)ヒアリング調査

V.概要 
 
生産者の視点から、環境・リサイクル配慮型製品の市場拡大に向けたサプライチェーンのあり方について調査研究を行った。サプライヤーに対する製品メーカーの主な環境要求事項であるEMS(環境マネージメントシステム)及び化学物質管理のサプライチェーン上流への波及状況、再生材利用の現状と拡大のための要因及び市場拡大に向けた効果的なコミュニケーションのあり方について調査研究を行った。製品メーカーにとってEPR(拡大生産者責任)への対応や化学物質管理の必要性から、サプライヤーとの強い連携・協業が必要不可欠となってきているが、中小のサプライヤーはEMS導入に負担感を感じている。製品メーカーによる負担感払拭のための働きかけや、サプライヤー自身が環境経営に転換する姿勢が求められる。国内外で化学物質管理の要求が強まる中、化学物質はその種類が膨大であり、製品メーカーがサプライチェーンを通じて化学物質情報を収集しようとしても容易ではない。業界団体による統一ガイドラインづくりや、必要とする情報に関する説明などをサプライヤーに明示することが求められる。再生材の利用は既に幅広い分野で取り組みが進められており、一部の業界はクローズドリサイクル・システムを構築しつつある。オープンリサイクルにおいても同一グレードのリサイクルは展開可能と考えられる。市場拡大に向けたコミュニケーションについては、マスコミや環境ラベルの活用、環境格付けなどについて調査した。環境配慮型製品市場の拡大と創出に向け、企業の取り組み拡大とあわせ、生産活動のグリーン化に影響を及ぼすグリーンコンシューマーの育成が重要と考えられる。


この事業は競輪の補助金を受けて実施しております。